【独占インタビュー】元楽天・安樂智大が語るパワハラ騒動、メキシコ参戦、日本球界復帰......
――いずれ海外でやりたいという願望はあったのですか? 安樂 いや、特になかったです。メディアの方に「韓国や台湾に売り込んで失敗した」とか言われましたけど、そんなことは一切ないですし、自分から売り込んだこともありません。そもそも、そんなに簡単に野球ができると思っていなかったですし......。 ■野球を続けていいのかずっと葛藤していた ――そんなタイミングで現在所属するディアブロスや、メキシコの他球団からもオファーがあったと聞きました。あらためて今、野球をできる喜びを感じていますか。 安樂 そうですね。騒動の頃は練習していても身が入らなかったですし、本当に野球を続けられるのか、続けていいのか......と、ずっと葛藤していました。そんなときに家族はもちろん、元チームメイト、先輩、後輩、裏方さんも含めて「絶対に野球をやめないでくれ」と。その言葉がすべてかなと思いますね。 ――騒動に関するリリースでは、「真実と異なる点がある」というコメントもありました。 安樂 受け取り手が嫌な思いを感じた以上、僕が悪いのは間違いありません。でも報道された内容に関して、"事実"と"真実"の違いがあります。そのときの状況や雰囲気、それに対する後輩の返しなど......。ただ今は、僕が当時の内容について細かくお話しすることがいいとは思いません。 でもひとつだけ言わせていただくと、応援してくださる方たちのためにも野球を頑張りたいです。当初は誹謗中傷が何千件、何万件と来ましたけど、今は「もう一回頑張れ!」「応援しているぞ!」という言葉が9割を占めています。本当にありがたいことですし、その人たちのためにももっと腕を振らなきゃいけないと思っています。 ――いろんな感情があった中、もう一度、野球を懸命にやろうと思えたのはいつ頃ですか。 安樂 3月1日にこっちに来たときは「メキシコかぁ......治安、悪そうだな」という気持ちは正直ありました。でも、本当にいいチームメイトに出会うことができました。 メキシコでも騒動について報道されましたけど、正直「こういうことだよ」って話せました。トレバー(・バウアー)にも話をしましたが、後ろ向きだった気持ちを救ってくれたというか、彼の存在はありがたかったですね。 ――2日前にバウアー投手に話を聞いたら、「人間誰しも失敗をする。もう一回チャンスを与えられる社会であってほしい」と話していました。 安樂 彼は「わがまま」と言われることもあるけど、野球に真摯ですし、野球人として見習う部分は本当にいっぱいあります。彼に何があったのか知らないですけど、今、頑張っていることは知っているので。トレバーにはもう一度、メジャーでやってもらいたいです。