三連休に見たい展覧会ベスト17。ポケモン工芸、舟越桂、Nerhol、北アルプス芸術祭まで
もうすぐ閉幕 「北アルプス国際芸術祭」 3000メートル級の山々が連なる北アルプス山脈の麓に位置する長野県北西部の大町市。ここを舞台に、2017年に初開催された「北アルプス国際芸術祭」の第3回目は11月4日まで。会場のレポートは こちら。 北アルプス山麓の地域資源をアートの力で世界に発信することで、地域再生のきっかけとなることを目指し、今年は信濃大町の魅力とも言える「水・木・土・空」をテーマに掲げ、10の国と地域から31組のアーティストが参加している。 須沼神神社の境内にある神楽殿の宮山香里によるインスタレーションや、ソン・ミンジョンが屋内ゲートボール場で展開した作品、八坂公民館の周りを編み込んだ竹で囲んだヨウ・ウェンフーの作品など、地域の生活と歴史に根ざした作品が見どころとなっている。 会期:2024年9月13日~11月4日 会場:長野県大町市 住所:0261-85-0133 開館時間:9:30~16:30 料金:作品鑑賞パスポート 一般 3000円 / 16~18歳 1500円 / 15歳以下 無料 URL:https://shinano-omachi.jp 「舟越桂 森へ行く日」(彫刻の森美術館) 神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、今年3月に逝去した彫刻家・舟越桂(1951~2024)の展覧会「舟越桂 森へ行く日」が11月4日まで開催されている。会場レポートはこちら。 舟越は1951年岩⼿県盛岡市⽣まれ。75年に東京造形⼤学彫刻科を卒業し、77年に東京藝術⼤学⼤学院美術研究科彫刻専攻を修了。遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られており、今年2024年3月29日に逝去した。 本展は、生涯を通じて人間とは何かを問い続けた作家の作品の変遷と、その創作の源となる視線にせまるものとなる。「僕が気に入っている」「人間とは何か」「心象人物」「『おもちゃのいいわけ』のための部屋」といった4つのテーマで紹介される作品の数々には、目には見えない人間の心の姿が舟越の視線を通じて立ち現れている。 会期:2024年7月26日~11月4日 会場:彫刻の森美術館 本館ギャラリー 住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121 電話番号:0460-82-1161 開館時間:9:00~17:00 ※⼊館は閉館の30分前まで 休館⽇:年中無休 料金:大人 2000円 / 大学・高校生 1600円 / 中学・小学生 800円 / 未就学児無料 「Nerhol 水平線を捲る」(千葉市美術館) 紙を用いてグラフィックデザインを行う田中義久(1980~)と、紙や文字を素材に彫刻をする飯田竜太(1981~)が2007年に結成したアーティストデュオ・ Nerhol(ネルホル)。その美術館初となる個展「Nerhol 水平線を捲(めく)る」展は、千葉市美術館で11月4日まで。会場レポートはこちら。 本展では、これまでの活動における重要作や未発表作に加え、千葉市の歴史や土地と関わりの深い蓮をテーマとした最新作、さらにはふたりが選ぶ美術館のコレクションを展示し、この場所だけでしか体験できない空間を創出する。 人間の知覚や現代社会における一義的な認識ではとらえることができない、Nerholによる時間と空間の多層的な探究は、千葉の地で豊かな展開を見せている。 会期:2024年9月6日~11月4日 会場:千葉市美術館 住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8 電話番号:043-221-2311 開館時間:10:00~18:00 休館日:9月9日、24日、10月7日、21日※第1月曜日は全館休館 料金:一般 1200円 / 大学生 700円 / 小・中学生、高校生 無料 「瑛九―まなざしのその先に―」(横須賀美術館) 横須賀美術館で、企画展「瑛九―まなざしのその先に―」が開催されている。会期は11月4日まで。 瑛九(えいきゅう、1911~1960)は、油彩画のみならず、写真、版画など多分野で創作活動を行い、作風も印象派やシュルレアリスム、キュビスムなどに刺激を受けながら、めまぐるしく変貌し、絶えず新しい表現を模索し続けた。また、批判的精神を持ち続け、美術や社会に関する評論活動に精力的に行い「デモクラ―ト美術家協会」を組織するなど指導者としての顔も持った瑛九の存在は、その作品とともに、同時代や後進の芸術家たちを惹きつけ多大な影響を与えた。 本展では、最初期から絶筆に至るまでの油彩画を中心に「フォト・デッサン」による写真作品、銅版画やリトグラフなど、各分野の代表作による約100点を一堂に展示。自ら理想とする美を追求し続け、戦前・戦後を駆け抜けた瑛九の軌跡を紹介する。 会期:2024年9月14日~11月4日 会場:横須賀美術館 住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1 電話:046-845-1211 開館時間:10:00~18:00 休館日:10月7日 観覧料:一般 1300円 / 高校・大学生、65歳以上 1100円 / 中学生以下、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と付添1名 ※11月3日は無料 特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」(静嘉堂文庫美術館) 東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)の特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」は11月4日まで。会場レポートはこちら。 静嘉堂所蔵の茶道具は、三菱第2代社長・岩崎彌之助(1851~1908)とその嗣子で第4代社長の岩崎小彌太(1879~1945)の父子二代によって、1884年頃から1945年までに収集されたものだ。 静嘉堂として8年ぶりの茶道具展となる本展では、将軍家や大名家旧蔵の由緒ある墨跡や花入、茶入や名碗をはじめ、著名な茶人たちの眼にかなった、姿・かたちの美しいものから渋みや風格をたたえた作品までが一堂に会している。 会期:[前期]2024年9月10日~10月6日、[後期]2024年10月8日~11月4日 会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) 住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F 電話番号:050-5541-8600 開館時間:10:00~17:00(土は~18:00、第4水曜日 9月25日、10月23日は~20:00)※入館は閉館の30分前まで 休館日:月(ただし、9月16日、9月23日・10月14日、11月4日は開館)、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日 ※10月28日はトークフリーデーとして開館 料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下 無料 落合陽一「どちらにしようかな、ヌルの神様の言うとおり:円環・曼荼羅・三巴」(日下部民藝館) 日下部民藝館で、落合陽一による個展「どちらにしようかな、ヌルの神様の言うとおり:円環・曼荼羅・三巴」が11月4日まで開催されている。 近年、とくに「神仏習合」をテーマに、計算機自然と伝統、物質と非物質の融合を推し進めている落合。本展では、デジタルネイチャーの概念と日本の伝統的なシンボリズムが交錯する新たな表現を試み、円環、曼荼羅、三巴といった象徴を通じて、存在の本質を探求している。 デジタルネイチャーの概念がいかに現代社会と共鳴し新たな文化を生み出すのか、その過程を共有する。 会期:2024年9月14日~11月4日 会場:日下部民藝館 住所:岐阜県高山市大新町1-52 電話:0577-32-0029 開館時間:10:00~16:00 休館日:火(祝日の場合は開館) 「いわいとしお × 東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ―19世紀の映像装置とメディア」(東京都写真美術館) 東京都写真美術館で「いわいとしお × 東京都写真美術館 光と動きの100かいだてのいえ―19世紀の映像装置とメディアアートをつなぐ」が11月3日まで開催されている。 人気絵本『100かいだてのいえ』の作者いわいとしおは、日本を代表するメディア・アーティストの岩井俊雄でもある。岩井は、幼少からアニメーションに強い興味を持ち、パラパラマンガや驚き盤を現代のテクノロジーによって進化させた作品「時間層」シリーズによって、独自のメディアアートを確立した。 本展では、岩井のメディアアートと、その原点となる19世紀の映像装置をつなぎ、光と動きが生み出す視覚体験のおもしろさと、それらをつくり上げた科学者や芸術家たちの飽くなき探求心を解き明かす。 会期:2024年7月30日~11月3日 会場:東京都写真美術館 住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 電話:03-3280-0099 開館時間:10:00~18:00(木金~20:00、ただし、7月18日~8月30日の木金は~21:00)※入館は閉館30分前まで 休館日:月(祝休日の場合は翌平日) 観覧料:一般 700円 / 学生 560円 / 中学・高校生 350円 / 小学生以下無料