イタリアの名門バイクブランド、モト・グッツィ「V100マンデッロ」試乗。100周年の集大成を堪能する
その市販車は当初、小型~中排気量中心の展開ではあったが、1965年に初投入された空冷703cc V型90度2気筒エンジンの「V7」で大排気量車の量産をはじめ、いくつかの歴史的モデルを経て、今回のV100マンデッロでV型エンジンは新設計水冷4バルブとなった。 ■一般道から高速道路で走りを再確認 今回は都内から一般道と高速を使い栃木県の那須モータースポーツランドとモビリティリゾートもてぎ、静岡県の富士スピードウェイという3カ所のサーキット業務を5日間にわたりV100マンデッロで移動しながら検証し、改めてその魅力を体感することになった。
V100マンデッロには、中長距離ツーリングでも安心なサイドパニアセットがオプションとして用意され、今回の試乗車にも装着されていた。このサイドパニアセットは、パッセンジャーシートを外し、スライドさせることで左右ごとに脱着可能で、不要なときは簡単に取り外すことが可能だ。 V100マンデッロのデザインは、一見するとコンサバティブなツーリングモデルに見えるが、エアロダイナミクスへのこだわりなど、ライダーへの配慮も忘れないエンジニアリングにも注目してほしい。
またがっての第一印象は「コンパクトさ」だった。 V100マンデッロのサイズ感は、身長176cmの筆者にとって受け入れやすい自然なポジション。ハンドルへ伸ばした腕は肘がわずかに曲がる程度、ステップに向けた膝も90度を少し切ったあたりで、ハンドル・シート・ステップの位置関係が丁寧に作られている。このポジションであれば、肩の力も抜け、2輪車のセルフステアを邪魔することもない。また、膝も曲がりすぎていないので、着座位置からステップへ荷重もかけやすく、マシンコントロールも容易にできる。
■数値からもわかるコンパクトさ コンパクトに感じる1番の要因は、数値から見てもわかる。ホイールベースは1475mmで、欧州メーカーの作るフルサイズ高速スポーツツアラーに比べて50mm以上短く、車重も燃料90%搭載時で233kgと、これもまた高速スポーツツアラーに比べ5kg以上軽量といえる数値に収まっている。サイズで言えば、近年各社が取り組んでいる800~1000ccあたりのエンジンを搭載したミドルクラスに属するマシンと同等だ。