突然「学校に行きたくない」と言われたら?1回休ませたら休みグセがつく?専門家が回答
そろそろ夏休みも終わりというときに、「学校行きたくない」とお子さんが言い出すと、保護者としてはあわててしまうかもしれません。教育心理学を研究し、スクールカウンセラーも行っている経験から、対応のコツをお伝えします。 PROFILE 松尾直博教授 東京学芸大学 教育学部 教育心理学講座
知っておきたい 3つのポイント
【ポイント01】 「寄り添い」と「問題解決」のバランスを意識する ずは、子どもの「行きたくない」という気持ちに寄り添うことが重要です。休み明けはただでさえ、これから毎日学校か…と憂鬱になるもの。「そういうことってあるよね」と共感してもらえるだけで、ラクになることも多いのです。 また、子どもは話を聞いてほしいだけなのに「何があったの、すぐ先生に相談するね!」と親が先走りし、大ごとにされて困る、という子どもの声も聞きます。 ただし、場合によっては問題を解決する具体的なアドバイスが必要なときもあります。その子の性格や口ぶりから「寄り添い」か「問題解決」か判断し、違ったら修正しながら対応していきましょう。 <声掛け例> 「そうなんだね。夏休み長かったし、楽しかったしね」 「そっか、なにか嫌なことあるの?」
【ポイント02】 夏休み明けに多い意外な理由 行きたくない理由はいろいろですが、夏休み明けに多いのが「宿題が終わっていないから」です。子どもが正直に言うかどうかは別ですが、この理由はさほど深刻にならず、保護者としてはむしろ安心かもしれません。 応援しながら終わらせる、正直に「間に合いませんでした」と言わせる、子どものタイプによっては「全部終わらなかったのですが、寛大にご対応ください」と学校にお願いしてみる。寄り添いつつ、問題解決的なアプローチができます。 理由があれば対応が考えられますが、理由がない、子ども自身わからない、ということもよくあります。そのときは「たまには休んでも大丈夫」と伝え、原因探しにエネルギーを注がない方がよいでしょう。 <声掛け例> 「宿題は何が残っているの? できることは手伝うよ」 「たまには休んでも大丈夫だよ」