多くのアパレルが注目!柔らかく耐候性に優れた高機能素材「ソロテックス®」の秘密
螺旋構造の優位性
ーポリマーが螺旋構造であることは、開発に際してどのように作用しましたか。 竹下: 螺旋構造であることは当初からわかっていたので、これを繊維製品に使えないかというところから開発が始まりました。ですが、始めてみると解決すべき課題は多くありました。 繊維化や加工の際に、ストレッチ性が過度に現れたり、均一な糸を引く技術の確立に時間がかかったりと苦労が絶えませんでした。非常にデリケートな糸でしたので、糸の開発だけで数年かかっていますし、そこから染色や商品になったときの完成度を高めるために、さらに年月を要しました。 ー「ソロテックス®」を他の繊維と比較した結果を教えてください。 竹下: 「ソロテックス®」はナイロンやポリエステルと比べて、伸び率や伸長回復率は高くなっています。また耐候性にも優れているので、長く愛用していただける素材に仕上がっています。 注目してほしいのは、柔らかさです。商品によって違いはありますが、ポリエステルやナイロンよりも柔らかく、糸の種類によってはカシミヤよりも柔らかいというデータも得られています。
「ソロテックス®」が広まった理由
ー多くのアパレルブランドに採用されるきっかけはありましたか。 岡田: 「ソロテックス®」は、弊社が引き継いだ事業ということもあり、会社を挙げて打ち出していこうという動きがありました。そこで、国内のインフルエンサー的なアパレルさんに使っていただき、そのブランドのファンの方から広めていただこうというアプローチを取りました。
たとえば、テック系や旅をテーマにされるブランドさんはもちろん、ビジネスユースも可能で、商品の高級感も出せるというメリットがあります。「ソロテックス®」は、安い糸ではないですが、素材の持つすばらしさを理解していただけるブランドさんやお客様に届いていると感じています。 現在は、スポーツ、アウトドアの著名アパレルからセレクトショップまで、さまざまなところで採用いただいています。