「お前らに一言物申す」江頭2:50、大谷翔平、愛子さまが使っている…ぐっとくる短く強い"結晶フレーズ"話法
人前での話がうまい人はどのようにスピーチしているのか。1000人以上の社長や企業経営者を指導したコミュニケーション戦略研究家の岡本純子さんは「自分が一番言いたいことをインパクトのある短く強い一言に結晶化し、それをキーメッセージにするから聞く人の記憶に残る」という――。 【この記事の画像を見る】 ※岡本純子『なぜか好かれる「人前での話し方」』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。 ■インパクトある「キーメッセージ」が光る「エガちゃん」の名スピーチ 日本人はダラダラと話し、結論がなかなか見えない「あみだくじ話法」の人が多いのですが、これを、一番大事な要点から始める「おみくじ話法」に変えていくことで、すっきり伝わりやすくなります。この話法の主役は、おみくじであれば、運勢の「大吉」や「災い転じて福となす」といった「まとめ」となるキーメッセージです。 「今日、一番、私が言いたいことは何か?」を考え、一言にまとめる。それは家でいえば土台、木でいえば幹。しっかりとした、インパクトのあるキーメッセージを相手の心に残せたら、その話は成功と言えます。 たとえば、「感動する!」と話題になったお笑い芸人「エガちゃん」こと江頭2:50さんの入学式でのスピーチ。 ---------- 代アニ(代々木アニメーション学院)のお前ら! お前らに一言物申す! 入学おめでとう!(中略) かくいう私もトルコで全裸になって捕まったり、新宿で下半身を出して捕まったり。嫌い芸人ランキングは9年連続1位、抱かれたくない男ランキング不動の1位でした。最近では大好きだった佐山愛ちゃんにフラれてしまいました。 もう、どうしようもない人生です。 でも、そんなことがあったからこそ、好きなユーチューバーランキングで2年連続の1位をとることができたんだと思ってます。 かなり遠回りをしましたが、何が言いたいかというと、何があっても諦めるな、ということです。(中略) お尻から粉を出す。これ普通だったらただの変態です。 でも、なりふり構わず、真剣にやっていると、誰かが笑ってくれる。 真剣にやるのは、若い君たちにとって恥ずかしいことかもしれません。バカにしてくるやつもいます。 でも99人がバカにしても、ひとりが応援してくれたら、それでいいじゃねえか。 ひとりが笑ってくれたら、それでいいじゃねえか。 それでも、もしつらいこと、いやなことがあったら俺を見ろ。そして笑え。 悩むのがバカバカしくなるから。 ---------- 「何が言いたいかというと」という表現で、ここがポイントだと指し示したうえで、「何があっても諦めるな」というキーメッセージを強調しました。そして、その根拠となる、具体的で個人的な失敗のエピソードをちりばめました。