【精神科医・和田秀樹】キレる、泣きわめく…「感情的な人」は大脳皮質のブレーキが機能してない!?
「大脳辺縁系」をいかに制御するか
ところが、大脳皮質とは、これまでの経験をもとにして感情の暴走を止め、理性的な行動を取らせようとする、つまり感情の行動化にブレーキをかけてくれる部位ともされています。 ということは、感情的であるとは、大脳辺縁系でつくられる感情のテンションが高い状態だけを言うのではありません。感情のテンションがそれほど高くなくても、大脳皮質のブレーキがあまり利いていない状態も、感情的になっていると言えるわけです。 それとは反対に、感情のテンションが高くても、大脳皮質のブレーキの性能が良ければ、そこで制御が利くので、怒鳴るという行為にまでは至らないということになります。 (元国会議員の)豊田真由子氏の場合は、もともと感情のテンションが高い人なのかもしれませんが、大勢の人がいるところなどでは、おそらく大脳皮質を必死に働かせて、ブレーキをかけていたのでしょう。それが、目下の相手と二人きりになったことで、ブレーキがすっかり緩んでしまい、あのような言動に至ったのではないかと思います。 つまり、脳科学の立場で見れば、感情的な人とは、感情のテンションが高い人だけでなく、大脳皮質による感情のブレーキがうまく働かない人も含むと考えることができるわけです。
TEXT= 和田秀樹