<BUZZNEWS閉鎖> 悪質“パクリメディア”の増長に歯止めを ノオト代表・宮脇淳
(2)画像や動画をそのままパクるのはアウト
バイラルメディアのメインコンテンツは画像や動画です。特にテキストがなくても、動画一発、あるいは画像数発で見せるケースがほとんどでしょう(ハプニング動画だったり、癒やされる猫の画像を並べてみたり)。ここで問題なのは、ネットに落ちている画像を無断で保存し、サーバにアップロードして使っているケースです。もちろん、相手サーバの画像URLを直接貼り付けるのも×。相手サーバに負荷をかける分、コピペ→サーバ保存より悪質です。 画像や動画がなければ成り立たないコンテンツは、基本的には著作者に「掲載の許可」を得るしかありません。しかし、ネット画像の中には著作者が誰かわからないものもあり、「だから勝手に使って問題ないだろう」と判断しているのかもしれませんが、著作者が名乗り出てきて訴えられたらどうするつもりなのでしょうか。著作権の侵害は「10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、あるいはその両方」が科せられます。 本来は、著作者に「こういうメディアなのですが、掲載の許可をいただけませんか?」とコンタクトし、了承を得るべきです。大手Webメディアのなかには、こういった交渉をきちんと行っている編集部もあります。ただ、ちょっとレアケースですが、他人の画像を勝手にパクってツイートした「パクツイ」を見抜けず、ネットメディア「使わせていただけますか?」→パクツイの主「いいですよ」という流れで許可してもらった……と思いきや、本当の著作権者が現れて騒動になったこともあるので、一般人が盗用していないかどうかもきちんと見抜かなければいけません。ここにはWeb編集者としての経験とノウハウが必要です。 また、画像そのものをアップロードするのではなく、たとえばTwitterやInstagramの投稿をそのまま「サイトに埋め込む」方法もあります。ユーザーはサービスの利用規約に同意しているため、Twitterのツイートを記事に埋め込むこと自体は問題ありません。同じ理屈で、YouTubeの動画をサイトに埋め込むのもOKです。ユーザー側がメディアへの掲載を拒みたいなら、削除依頼を出すか、投稿を削除することでメディアの記事の画像や動画を消すことができます。 ちなみに、PCやスマホのスクリーンショットも、アウト or セーフの見解が分かれます。解釈はメディアによって異なりますが、ブラウザの枠をきちんと入れればセーフとしているケースも多いようです。また、PCブラウザを開いた状態、あるいは手元にスマホで表示させた状態で、人がその画面を見ているアングルで「撮影」した写真を使うというのも、奥の手として使われることがあります。