<BUZZNEWS閉鎖> 悪質“パクリメディア”の増長に歯止めを ノオト代表・宮脇淳
バイラルメディアの著作権での問題点
しかし、残念なことに“パクリメディア”による被害は後を絶ちません。つい数日前も、弊社が運営する地域ニュースサイト「品川経済新聞」の過去記事画像が某バイラルメディアに無断転載され、一騒動ありました。なかなか表沙汰にはならないものの、コンテンツを理不尽に盗用され、泣き寝入りしているケースはかなりあるのではないかと推測します。 コンテンツ盗用の被害に遭った場合は、運営者側へ記事の削除を申し入れたり、損害賠償を請求したりすることが可能です。しかし、弁護士費用がかかること、解決までに膨大な時間がかかることを考えると、ヨッピーさんのような行動に打って出るのは難しいでしょう。得られる見返りと目の前の仕事を天秤にかけると、次の原稿に取りかかった方がとりあえずすぐお金になるからです。 ▼バイラルメディアに写真や記事をパクられた時、何をすれば良い? 被害者の立場から取るべき行動は専門家の解説記事をご覧いただくとして、ここでは編集者の立場からバイラルメディアの著作権に関する問題点とメディア運営で注意すべき点をまとめて提示してみます。
(1)コンテンツの全文コピペは完全に×
バイラルメディアの記事でよく見かけるのは、元記事をきれいに全文コピペして記事の最後に薄いグレーの文字で「引用:◯◯◯」と記しているケース。これは完全にアウトで、引用ではなく無断転載です。引用には厳密なルールがあり、「引用を行う必然性」があり、「本文が主、引用部分が従」になっており、「どこからどこまでが引用かを明確に」し、「出典を明示」しなければなりません。多くのバイラルメディアは最後の項目しか守っていないわけです。 Webメディアに元記事を掲載する場合は、あくまでそのテキストの一部に留めるのが重要です。さらに、当該記事がきちんと「主」になるようなテーマをはっきりさせ、引用はあくまでその記事を成立させるための1要素にとどめなければいけません。一つのテーマ(タイトル)に対して、こんな記事(1)もあれば、こんな記事(2)もあり、こんな記事(3)もある……といった具合に、目を引くテーマ作りそのものは運営者が行い、それに関連する引用元の組み合わせの妙で記事を作るのが、編集者の腕の見せどころとなります。