<BUZZNEWS閉鎖> 悪質“パクリメディア”の増長に歯止めを ノオト代表・宮脇淳
昨年10月、コンテンツ盗用を追及されたことで炎上したバイラルメディア「BUZZNEWS」が2月4日、突然閉鎖を宣言しました。2月6日付けでサービスの提供を終了するそうです。 【写真】次世代を担うジャーナリズム作品は? 個人や大手メディアの38作品から選ぶ そもそもバイラルメディアとは、人目を引く画像、動画などを中心に、「バズる」コンテンツを日々更新するWebメディア。「感動したらシェア」「笑ったらシェア」というようなSNSボタンを配置し、短期間でTwitterやFacebookから膨大な流入をかき集めるのが特徴です。 しかし、バイラルメディアに掲載されているコンテンツのほとんどは、運営者自らが「作った」ものではありません。誰かがネットで公開した笑える画像や面白い動画、感動エピソードなどをそのままコピペすることで記事を量産し、大量のトラフィックを集めているのです。サイトのPV(ページビュー)が上がればそれだけ広告料も増えるので、バイラルメディアの多くはとにかく面白いコンテンツを見つけては「パクる」ことを常態化しています。今回閉鎖を宣言したBUZZNEWSは、まさにそういった悪質なバイラルメディアの代表格でした。
悪質バイラルメディア vs. フリーライター
こういった状況に業を煮やしたのが、フリーライターのヨッピーさんです。自身もバイラルメディアに画像を無断転載されたことをきっかけに、「勝手にコンテンツをパクられた」周囲のクリエイターに声をかけて被害者をとりまとめ、弁護士をつけてBUZZNEWSの運営会社を相手に「刑事訴訟するか、和解するか」を迫りました。一連の詳しい経緯はこちらをご覧ください。 ▼悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた(Yahoo!スマホガイド) この記事にクレジットされている有限会社ノオトは編集プロダクションで、私はこの会社の代表です。責任者として「何かあったらヨッピーさんをバックアップします」という立場で身構えていましたが、BUZZNEWS側が全面的に非を認めたこと、今後のサイト運営の改善を約束したことで、その後は粛々と和解に至りました。 フリーライターで一個人のヨッピーさんが困っていたクリエイターを束ね、BUZZNEWSを懲らしめたこの一件は、その他のバイラルメディアにも「コンテンツをパクっていると、自分たちも追い込まれるリスクがある」ことを知らしめた、エポックメイキングな行動だったといえるのではないでしょうか。