【毎日書評】「人づきあいはテキトーでいいのよ!」精神科医Tomyがそう伝えるわけ
『精神科医Tomyの 人づきあいはテキトーでいいのよ 無理せず「めんどい人」をかわすコツ』(精神科医Tomy 著、日本実業出版社)の著者は、専門的な知識や経験から導き出した「気持ちがラクになることば」を患者さんに届けている精神科医。 メッセージをより多くの人に届けたいという思いから、「気がラクになるヒント」を“オネエ口調でカジュアルに”発信しはじめたところ、大きな支持を得ることになり、本を書く機会も増えていったのだそうです(自分を「アテクシ」と呼ぶようになったのも、そのころからなのだとか)。 過去にも著作をご紹介したことがありますが、ポイントは肩の力を抜いたアプローチ。もちろんそれは、“人づきあいの悩み”についての解決策を解消するために書かれた本書についても同じです。 人づきあいには「めんどくさい場面」があり、そうした状況に直面するたび、私たちは「もっとうまくやれないか」と思い悩み、ときには考えすぎ、自分を責めたりしてしまいがちです。しかし著者は、以下のような主張を投げかけているのです。 人づきあいはテキトーでいいのよ! むしろ、一切考えなくてもいいの!(「はじめに──人づきあいはテキトーでいいのよ」より) 精神科医として活動するなか、いちばん多く投げかけられるのが人づきあいの悩みなのだといいます。つまり、人づきあいで悩むのは仕方がないことでもあるわけです。しかし著者はそうした現実を踏まえたうえで、「人生は考え方次第で変わる」と思っているそう。 人生のよし悪しは主観で決まるものなのだから、人間関係はテキトーでもいい。むしろ、テキトーがいいというのです。ちなみに、ここでいう「テキトー」とは「いいかげんにする」という意味ではなく、「気にしない」ということ。 もちろんそれは、仕事の場においても同じ。そこできょうは第5章「仕事上のつきあい」に焦点を当ててみましょう。