地域文化商社「うなぎの寝床」が伝える、その土地ならではの商品
ー現代の生活スタイルにも合ったもんぺになっているんですね。 取り入れやすいのもありますが、「久留米絣はすごくいいもの」と思われていたことも人気の理由かもしれません。 久留米絣を使った商品は、なぜか年配の婦人向けの服が多く、以前は20~30代の方がチャレンジできそうな服がありませんでした。そのようななかで男女問わず履けて、自分に合うものが見つかりそうなもんぺができたので、選んでもらえたのかなと。 また、久留米絣を使った洋服は、値段が高くなってしまうんです。生地自体が高いので、洋服にすると2~3万円を超えてしまいます。そうなると、やっぱり服が好きな人じゃないと買えないものになってしまう。 手に取ってもらえる価格にしないとなかなか広まらないので、「ギリギリ頑張れば買えるかな」と思ってもらえるよう、弊社では1万円前後を意識して作りました。 ー「UNA PRODUCTS」には、もんぺ以外だとどのような商品がありますか。 もんぺのように、できる限り生地を裁断せずに作っているものには、KAPPOGI(割烹着)があります。そのほかだと、HAORI(羽織)やあずま袋、ポーチなどがあります。 あずま袋やポーチは、もんぺを作るときに余った端切れで作っていて。生地をなるべく使い切れるようなプロダクトを意識しているので、生地幅をそのまま生かしたサイズ感のものを作っています。 また、久留米絣では、糸を染めるときに括り糸で糸を縛るのですが、その括り糸はそれ以降使われません。使えそうなら織りの工程でよこ糸に使われることもあるのですが、どうしても残ってしまうんです。 それをきちんと商品化したいと考え、靴下の産地で有名な奈良県の事業者とつながって括り糸を使った靴下を作ったり、ウールと混ぜてニット帽にしたりしています。産地の中だけで解消できない眠っている資源を使って、無駄のない商品作りを行っています。 ー自社商品を企画する際に、大切にしていることはありますか? 「私たちが関わることで作れるもの」を考えています。作り手さんたちがやれることをやっても仕方ないので、私たちが関わることで新しくできることを探すようにしています。 ーほかの産地との協業も、御社があったからこそ実現したことのひとつですよね。 そうですね。作り手さんたちには「どうにかしたいな」という思いがあっても、やはり日々の業務があるので、それ以外のことに手を回すのは難しいんです。弊社は作る人と使う人の間に立っているからこその関わり方ができると思うので、それを生かすようにしています。 今はたまたま織物をはじめとする繊維関係の作り手の方が多いのですが、食品や磁器など、織物以外のものも同じようにサポートできる対象になると考えています。