2025年春夏メンズコレ取材24時Vol.1 裸王「ディースクエアード」がぶっちぎり、新生「モスキーノ」と好調「セッチュウ」は明暗分かれる
18:30 「ブルネロ クチネリ」
フィレンツェの「ピッティ・イマージネ・ウオモ」でも取材した「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」をミラノでも取材しました。本能や直感を大切にしようという意を込めたテーマ“アクツ・オブ・インスティンクト”のコレクションは、ニュートラルカラーにパステルを差し込むスタイルがきれいでエレガント。ただし気負いすぎず、あくまで自然体でノンシャランなムードにこだわります。好調なデニムアイテムを起点にしたブルーカラーのカジュアルスタイルや、ブラウンとオフホワイトを組み合わせた「ブルネロ クチネリ」流の王道カラーコンビなど、色合わせのセンスとバリエーション豊かな素材が素敵でした。シルク混の素材を多用しているため、表面の表情もなめらかです。
コレクション取材を終えると、会場1階では「ブルネロ クチネリ」名物の豪華ケータリングでもてなしてくれました。心も体も潤ったところで、初日もいよいよラストスパートです。
20:00 「ディースクエアード」
ミラノ・メンズ初日のトリといえば、「ディースクエアード(DSQUARED2)」のパワフルなショーが近年のお決まりです。時差ボケの眠気や長距離移動の疲労感を、まるで往復ビンタのようにバチーンと吹き飛ばしてくれます。1年前は往年の武田久美子風の貝殻ビキニ、半年前はプリンセス天功風の近未来的変身イリュージョンでゲストを驚かせました。今シーズンは何が来るのかワクワクしながら、会場の劇場テアトロ・リリコ・インテルナツィオナーレに向かいます。
ゲストは1階席と2階席に分かれており、日本人チームの多くは2階席へ。ランウエイからは距離がありますが、なんばグランド花月2階席のように場内の雰囲気を楽しむことができ早くも期待が高まります。ゲストには開演前にプログラムを渡し、登場するモデルやダンサー、スタッフを事前にチェックできました。特に注目だったのが、サウンドトラックです。アッシャー(Usher)の“GOOD KISSER”をはじめ、プリンス(Prince)の“EROTIC CITY”、ブルーマン グループ(Blue Man Group)の“I FEEL LOVE”といった、キス、エロ、ラブの文字列に、早くも気持ちが高鳴ります。いや、まだ早いと自制しつつショーが開幕すると、“GOOD KISSER”と共に、バキバキの上半身をあらわにしたダンサーたちが、漫画「激烈バカ」のカクカクの動きで腰を振りながら登場しました。高鳴る気持ちが激情へと変わり、劇場に浸透していきます。