森から連れ出され、“人間と2匹の犬に育てられた”子鹿、ペットの生活に順応して話題に
1年前、イギリスのデボン州の森でウォーキングをしていた女性が、1匹の子鹿を発見した。子鹿は女性により獣医師の元に届けられた後、動物保護を行う男性に引き取られ、ミリーと名付けられた。保護者となった男性と、2匹の飼い犬との生活にすっかり慣れたミリーは、自分を鹿だとは思っていないようだ。今では家族の一員として、なくてはならない存在となっている。 【写真】勘違いから保護された小鹿、2匹の飼い犬と兄弟のように暮らす。
勘違いから保護されて…森を離れた子鹿
デイリー・メール紙によれば、ミリーは生後24時間足らずで母鹿と離れ離れになった。森でミリーに遭遇した女性が、母鹿に見捨てられたのだと勘違いし、善意のつもりで獣医のクリニックに連れて行ったからだ。 森に戻しても、人間と接触してしまった子鹿を、母鹿が連れ帰ることはない。そう思った獣医は、地元の動物保護活動家のスティーブ・ホッパーさんにミリーを託した。 それから1年経った今、ミリーはホッパーさんの農園で、2匹のジャーマンシェパードと兄弟のように暮らしている。今ではすっかり家族の一員だ。
気持ちは犬?人と先住犬たちとの生活に順応
ずっと動物に囲まれて生活してきたというホッパーさんだが、子鹿を預かるのは初めてだったという。育て方をネットで勉強し、保護してから10週間の間、毎日4回、近くの農場主が提供してくれたヤギのミルクをミリーに与えたという。 生後2カ月になると、ミリーは徐々にミルクに興味を示さなくなり、食べたいものを探すようになった。BBCによれば、ホッパーさんはミリーの餌にするために、自分の土地に60本ほどの木を植えたという。 当初ミリーはウサギほどの大きさで、まるで接着剤のようにホッパーさんにくっついていたそうだ。2匹のシェパードたちも、妹のようなミリーの面倒をすぐに見るようになったという。彼らはしばしば同じ小屋のなかで過ごし、互いに毛繕いをして頭を突き合い、一緒に駆け回って遊ぶようになった。 通常子鹿は母親の跡をついて回り、母親の行動を真似するものだというが、ミリーはホッパーさんとシェパードたちを『親』と認識しており、彼らの行動パターンに従っているという。 ホッパーさんの農園には他に3頭の鹿がいるが、何度引き合わせても、ミリーは全く彼らに興味を示さないそうだ。