ロバート・スミッソン《スパイラル・ジェッティ》、アメリカ国家歴史登録財に登録
世界でもっとも重要なランド・アート 作品のひとつとして評価されるロバート・スミッソンの《スパイラル・ジェッティ》(1970)が、アメリカの国家歴史登録財に登録された。 ユタ州グレート・ソルト湖の北東岸、ロゼル・ポイント半島に位置する同作。地元の黒い玄武岩と土を使い、長さ1500フィート(約457メートル)、幅15フィート(約4.5メートル)の大きな螺旋状の構造物をつくり上げたもので、その形状は湖の水面に向かって反時計回りに延びている。 1999年、スミッソン妻でアーティストのナンシー・ホルトの支援を受け、ロバート・スミッソンの遺族からこの作品はディア芸術財団に寄贈され、同財団の管理するひとつのランドマークとなった。同財団はグレート・ソルト湖研究所(ウェストミンスター大学)、ホルト/スミッソン妻財団、ユタ大学美術館と連携し、作品の保存活動を進めてきた。また、ユタ州の林業・消防・州土地部門は、現地の維持管理において支援を提供している。 アメリカの国家歴史登録財は、同国の歴史的価値のある場所を保護するための公式なリストであり、1966年の「国家歴史保存法」に基づいて設立された。同国内の歴史的および考古学的資源を識別、評価、保護するための公私協力を支援することを目的としている。 ディア芸術財団のナタリー・ド・ガンズブルグ・ディレクターであるジェシカ・モーガンは、「この認定が、作品の認知度を高め、長期的な保存活動に対する支持を広げる助けになることを期待しています」とし、次のようにコメントしている。 「《スパイラル・ジェッティ》は過去54年間、グレート・ソルト湖によって水没したり、湖岸から遠く離れたりしながらも、その周囲の変化を見守り続けてきました。この作品はユタ州内外で愛され、数多くの人々にとって多くの意味を持っています。今後もこの作品を守り、次世代に伝えるための活動を続けていきます」。