【40代、50代・更年期の治療】HRT(ホルモン補充療法)はしたほうがいい?ホットフラッシュに効果的って本当?
更年期のひどいホットフラッシュ症状には、HRT(ホルモン補充療法)が効果的と言われる。一方、ほかの更年期症状でHRTが効くのは、どんな症状? 産婦人科医の小川真里子さんに教えてもらった。
Q. ホルモン補充療法(HRT)はしたほうがいいの?
A. 試してみる価値はあります! 「更年期の不調は女性ホルモンが揺らぎながら減ることで起こります。HRT(ホルモン補充療法)はそれならば、少なくなった女性ホルモンを少しだけ足すことで、そういった不調を改善しようという療法です。必要最小限の量を補って、急激なホルモン減少を穏やかにしてさまざまな症状を抑えます。効果の出方は個人差がありますが、HRTを受けた人の多くは、我慢しないでもっと早く受ければよかったと言います」(小川先生)。
◆HRT(ホルモン補充療法)の考え方 急激に減り始めた女性ホルモンを少しだけ補充し、体を徐々に慣らしてソフトランディングさせることで、さまざまな症状を改善する。 日本の普及率は欧米各国やアジア諸国と比べても驚くほど低いのが現状。その理由は2002年にアメリカで発表された「HRT(ホルモン補充療法)で乳がんが増える」というメディアによる報道が影響していると思われる。 「今ではその報告は再検討され、リスクよりもベネフィットのほうが高く、多くの医療機関で推奨されています」
Q. HRT(ホルモン補充療法)はどの病院でも受けられるの?
A. 積極的に行っている病院が多いです 「HRT(ホルモン補充療法)は誰でもどこででも受けられるわけではありません。体の状態により適さない場合もありますし、更年期医療に詳しい医師であれば、たいていHRTに積極的ですが、中には消極的な考えの人もいます。HRTでは、来院するのは数カ月に一度なので、多少家から遠くても納得のいく医師を探すのがいいと思います。最近はオンライン診療も少しずつ増えています」 ◆HRT(ホルモン補充療法)ができる医療機関の目安 ・「更年期外来」を掲げている ・更年期医療関連学会や団体に所属している ・外来患者に更年期世代の女性が多い ・HRT(ホルモン補充療法)についての問い合わせに親切に答えてくれる ・「日本女性医学学会」などの認定医、登録医から探す