近畿大会を制した東山高校「収穫が多くあった」瀬川琉久、佐藤凪らを軸に夏のリベンジへ
■ 「ああいった役割をしてくれると…」主軸だけじゃない仕事人
昨年、瀬川、佐藤凪らとともに『三銃士』と呼ばれ、チームを引っ張った佐藤友(東海大学1年)が今春卒業。佐藤友は、得点だけでなくリバウンドやディフェンス、数字に表れない泥臭いプレーでも貢献した得難い存在であったため、その穴は決して小さくない。だが、瀬川、佐藤凪はもとより、スーパールーキーの中村、そして昨年から試合経験を積んできた南川陸斗(3年)など今年も実力ある選手が揃っているだけに、大澤コーチの先のコメント通り、「新しい長所」を引き出した戦い方を夏に向けて構築しているところだ。 もちろん、主軸だけでなく、昨年のようにセカンドユニットもカギとなる。その点では「決勝の第2クォーターでの彼らの頑張りがチームに活力を与えていたので、セカンドユニットは大収穫ぐらいの収穫だったと思います」と、大澤コーチは近畿大会決勝でのバックアップメンバーたちの奮闘を手放しで称えた。特に松島慎弥(3年)は積極的なリバウンドも光ったが、これについても「あれがうちの生命線。松島がああいった役割をしてくれるとすごくチームは勢いづきますね」と、語った。 安定した力で近畿王者となった東山だが、見据える先は夏の頂点。昨年は、福岡第一高校(福岡県)ら強豪を倒して決勝まで辿り着いたものの、決勝では大会の台風の目となった日本航空高校(山梨県)の勢いを止められずに惜敗。悔しい銀メダルとなった。そのときの思いを知る選手が多い今年はリベンジの年。近畿大会を通じて得た課題を修正しながら、福岡の地で行われるインターハイでの悲願達成を目指す。 取材・文=田島早苗
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