脳の専門家が教える「人生の変え方」脳神経の使い方で人生は変わる!
WH:書籍『Rewire』では、脳の否定的バイアスについて多く書かれていましたが、それはなぜですか?
NV:人間の脳は、中立的、肯定的、否定的な刺激に直面したとき、一番簡単に感じ取りやすいのが否定的な刺激だからです。そして私たちは、ポジティブな感情よりもネガティブな感情を多く抱いています。これは、人間の進化の過程による結果だと考えられています。「茂みの中に蛇が潜んでいるはずだ」と仮定する狩猟採集民は、「すべてがうまくいく」と仮定する者より遺伝子を残しやすい(生き延びやすい)とされていました。でも、現代の私たちが隠れ潜んでいる捕食者について心配する必要はほとんどありません。 つまり何が言いたいのかというと、否定的な見方をするのが人間にとっては非常に簡単だということです。例えば、あなたの服装を10人が褒めても、1人が批判したとしたら、あなたは10人にもらった褒め言葉よりも、後者の言葉を気にしてしまいませんか? でも、これが自分の生命にとって重要でないと気づけば、この傾向から克服するための努力ができるのです。 まずは感謝を実践し、視点を変えていきましょう。日々の小さなよい出来事に目を向けるのです。もらって嬉しかったメッセージや、楽しみにしている予定など、本当によいことに焦点を当ててください。そうすれば、自分に語りかける人生のストーリーが変わり始めます。「よいことなんて何も起こらない」から「よいことが起きている、もっとよいことが起こりそう」というふうに。
WH:自分を信じることについても多く書かれていますが、変化を作り出す上でこれが基盤となるのはなぜですか?
NV: 自己信頼とは、自分の能力に自信を持ち、自分で責任を果たせることを意味します。これがあれば、成長と成功のための強固な基盤が得られるのです。自己信頼を高めるためには、まずは自分との小さな約束を守ることから始めてください。「明日6時に起きて、仕事の前にジムに行く」と言ったなら、必ずその通りに実行してください。 ここで注意したいのは、その約束が現実的であることです。「週に5日トレーニングをして、全ての食事を変える」と言ったとしても、それはきっと実現しないでしょう。小さな約束を守り、少しずつ自己信頼を築いていきます。時間が経てば、自分を信頼できることに気づき、それが自分に自信を与えます。自分のことを常に疑ったりせず、意思決定ができるようになるはずです。 ※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。