脳の専門家が教える「人生の変え方」脳神経の使い方で人生は変わる!
WH:ほとんどの人が常に疲れていますが、そのような状態でも変化を作り出すにはどうすればいいのでしょうか?
NV:体と脳には、利用できる資源とエネルギーの量に限界があります。仕事が忙しく慢性的なストレス状態にあったり、心身が疲れ果てているとき、それでも体はなんとか機能し続けるためにエネルギーを利用します。つまり、このような状態ではなんとか生活を送ることにエネルギーが使われ続けるため、新しいことに取り組むためのエネルギーなんて残っていないのです。 状況が許すのであれば、不要な部分に費やされていたエネルギーを取り戻すために、今の生活から取り除ける「余分なもの」を特定してください。例えばそれは、「今手が離せないため、返信が遅くなることをご了承ください」という自動返信の設定することだったり、今仕事や予定で手一杯であることを友達に伝え、グループチャットで返信できないこと、社交の場に参加できないことをあらかじめ伝えておくなどの選択肢があるでしょう。ただしこれは、永久的な選択ではありません。エネルギーを取り戻す期間に限っての選択です。 そうすることで、認知エネルギーが解放され、次のステップを考える余裕が脳に生まれます。友人に返信したり、不要なメールの管理をする代わりに、脳に次のステップを考えさせるのです。
WH:小さな習慣ではなく、キャリアチェンジのように大きな変化を起こしたい場合はどうですか?
NV:ビジュアライゼーションが効果的なテクニックのひとつです。「自分を百万長者だと想像しなさい」という類のものと関連付けられたことで、長年悪評を得ていたビジュアライゼーションですが、実は科学的な裏付けがあり、アスリート選手たちが今も変わらず多用しているのはこのためです。頭の中で動きをリハーサルして、脳の運動皮質と小脳の間につながりを作っておくと、本番で行動に移しやすくなります。 そのため、キャリアチェンジを望んでいるなら、上司に退職届をメールで送り、その結果を恐れないでいる自分を想像することから始めるといいでしょう。新しいポジションを見つけたり、フリーランスのビジネスを立ち上げようとしているなら、プレッシャーの中でも冷静に振る舞うことができる自分をクリアに想像してみてください。