なすなかにし那須(43)が発症・緊急手術をした 「脳梗塞」の前兆・予防法を医師が解説!
脳卒中の前兆となる初期症状
くも膜下出血など、ほかの脳卒中の前兆も脳梗塞とほぼ同じです。ここでは出血性脳卒中によく見られる症状を紹介します。 ■激しい頭痛 脳出血でよく見られる前兆に、激しい頭痛があります。「バットで殴られたような痛み」「今まで経験したことがない激痛」と訴える方もいるほどで、とても耐えられない激痛に襲われます。痛みのあまり嘔吐することもあります。特に、くも膜下出血の場合は気絶するほどの激痛を伴うことがあります。ただちに救急車を呼び、患者さんを安全な姿勢で休ませましょう。嘔吐がなければ水平に寝かせ、毛布などで保温します。嘔吐があると気道を詰まらせるので、回復体位(横向きややうつ伏せ気味の姿勢)を取らせます。 ■顔のゆがみ、半身の麻痺、しびれ 脳梗塞と同様に、出血性脳卒中でも半身まひが起こります。半身まひの中で、一番分かりやすいのは顔の表情でしょう。突然まひが出始めたら、すぐに鏡に自分の顔を写して笑顔を作りましょう。笑顔が難しいときは「イー、」と声を出すのも判別しやすい方法です。もし脳卒中になると、左右どちらかの口角が上がらず、だらりと垂れ下がったままになります。奥歯の治療で麻酔をすると、一時的に顔の一部が麻痺して動かなくなりますが、それに近い状態です。その場で安静にして、ただちに救急車を呼びましょう。 ■いびき、不規則な呼吸 さっきまで元気に笑っていた人が、突然意識を失っていびきをかき始めた…。飲み会の席で起これば、アルコールが回ったのだろうと放置されかねない状態です。急な昏睡からいびき、不規則な呼吸は脳卒中の前兆のひとつです。脳卒中を起こすと舌の根元が気道をふさいでしまい、激しいいびきを起こします。いびきは鼻呼吸が難しい風邪や鼻炎を発症すると起こりやすい現象ですが、その場合は声をかければすぐ起きるので判別できます。脳卒中の場合は、寝ているのではなく意識を失っているので呼びかけても目を覚ますことはありません。呼びかけに応じないときもしくは反応がいつもと明らかに違う時は、ただちに救急車を呼んで下さい。気持ちよく寝ていると解釈せず、起こして確認することが大切です。 脳卒中でなくても激しいいびきをかいて寝ている人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。放置すると脳卒中の発生リスクが上がるので、できるだけ早めに呼吸器内科を受診して治療を受けましょう。