「航空祭」の舞台裏 異機種を自在に操る“空の精鋭部隊” 航空自衛隊・岐阜基地
岐阜県各務原市にある航空自衛隊・岐阜基地。ここには、凄腕のパイロットたちが集まる特殊な部隊があります。彼らが魅せた人気の航空ショー。その舞台裏を取材しました。 【動画】航空自衛隊の岐阜基地で「航空祭」凄腕パイロットに密着 高く飛び上がったと思ったら…急降下。さらに、転回しながら上空へ。 自由自在に空を飛び回る機体を操縦するのは、岐阜県各務原市にある航空自衛隊・岐阜基地のパイロットです。 彼らが所属するのは全国で岐阜基地にしかない部隊「飛行開発実験団」。 飛行機やミサイルなどの装備品の試験を実施しているため、基地には航空自衛隊に配備されるほとんどの機種がそろっています。 そんな岐阜基地で年に一度行われるのが、空の祭典「航空祭」です。 自衛隊の活動を広く理解してもらおうと開催され、多くの人が訪れます。 1番の見どころは、戦闘機や輸送機など用途の異なる機体10機ほどが隊列を組んで飛行する「異機種大編隊」。 特に高い操縦技術が求められます。
「大編隊」の肝となる隊形作り
その「大編隊」の肝となる隊形作りを、今年、任されたのが――。 岐阜市出身で、今年4月にテストパイロットになったばかりの松尾浩史1尉(34)。 「テストパイロット」とは、航空自衛隊で約1%しかいないパイロットのうち、他の基地で数年間勤務し、さらに岐阜基地で1年間の特別な訓練を積んだまさに精鋭部隊。 松尾さんにとっては、パイロットになって約10年で初めて迎える地元での航空祭です。 「航空祭によく来ていたり、父親に連れられて名古屋空港だとか、飛行機に比較的興味を持たせてもらえていたので、気付いたころには『パイロットになりたい』という気持ちが強かった。ずっと今まで見ていた航空祭で自分が飛べるというのは非常にうれしい」(岐阜基地・松尾1尉) 今年は、航空自衛隊が発足して70年。 「70周年にちなんだ隊形を作れないか今模索しています。向こうから航空機が進入してくるが、その時に数字の70が見えるような形でここにいる観客に70が見てもらえる隊形をイメージしています」(松尾1尉)