「航空祭」の舞台裏 異機種を自在に操る“空の精鋭部隊” 航空自衛隊・岐阜基地
隊形で大空に“70”を描く
本番4日前の13日。初めて航空機10機が集まりました。 「自分たちが意図したものがお客さんに伝わらないと意味がないので、ちゃんとうまくできるかなというのを意識しながらやっている」(松尾1尉) 基地司令も見守る中、松尾さんは戦闘機F15に乗り込み、いざ出発。“70”をきれいに描くことはできるのか――。
地上からの見え方を意識
隊列を崩すことなく上空を飛行します。しかし… 「1回目では若干、“7”と“0”の隊形がずれて見えたものの、きれいじゃなかったという反省点があった。なので2回やって2回目でそれがおおむね改善できたといったところ」(松尾1尉) 地上からの見え方を意識しながら、完成度を高めていきます。 高度な技術の一方で、危険と隣り合わせのパイロット。最優先にしているのは、常に安全への意識です。航空祭でも、通常の任務と変わらない緊張感で臨みます。 「管制官、他の航空機とのコミュニケーションをしっかりと取りなさいと指導を受けている。周りを見ていないと本当に一瞬で他の航空機と近づくことがあるので、しっかりと周りを見て飛行するということに気をつけております」(岐阜基地・石坂雄介3佐) 3児の父の松尾さん。普段なかなか見られないフライト姿が見られるのを、家族も楽しみにしています。 Q.航空祭は 「行きたい。赤と白の機体も飛ぶから楽しみ」(長男・圭悟くん) 「お父さんが飛んでいるところを見たりしているので、より飛行機に興味をもって好きになっていると思う。すごく子供たちも楽しみにしているので私も楽しみです」(妻・留奈さん)
出発直前の機体トラブル
17日、航空祭当日。パフォーマンスを見るため、基地には早朝から約6万5000人が訪れました。 松尾さんの子どもたちも笑顔で見送ります。 戦闘機F15に松尾さんが乗り込み、動きだしますが…すぐに停止してしまいました。 なんと、出発直前に機体トラブルが発生。急遽、練習機T4に乗り換え、飛ぶことに。突然の事態に松尾さんの家族も不安気に見守ります。