「コクヨの役員だったらGPTで何する?」で語られた活用アイデアとは?
しゃべり過ぎている人を注意してくれる「会議AI」
「『没入会議サマライザー』に、ファシリテーション能力をプラスしてほしい」と語るのは、J.フロント リテイリングの林氏だ。没入会議サマライザーは先述したように、音声認識技術やLLMによって、自動で議事録を作成したり、会議を評価したりするアプリ。 そのアプリに、会議を仕切って、しゃべりすぎている人には会議途中でも注意するファシリテーターを入れてほしいという。これは、さまざまな企業で欲しいアプリなのではないだろうか。人気投票で2位となった。
KPIに設定する!?「式神AI」
「陰陽師は式神に花をとってきてもらったりしていますよね」と話す東京大学の田中氏のアイデアは、「式神AI」だ。陰陽師は式神をさまざまな目的に使っているが、田中氏は、「陰陽師に代わってAIで式神のプログラムを作るとよい」という。1人が活動する24時間は、3人だと72時間になる。式神が多ければ多いほど、1日で行えることが増えていくわけだ。 そこで田中氏は、「式神が何人いるかをKPIとして、経営の視点と人事の視点で増やしていくといいのでは?」と語り、さらに「特級式神を作った人を評価するのもいいですね」と提案。人気投票で3位となった。 素敵なアイデアに会場が盛り上がる中、コクヨの野口氏は次のように語り、パネルディスカッションを締めた。 ┌────────── 生成AI以前のAIでは、実現できないことが多かったのが現実でした。しかし現在では、実現できることが増えたと実感しています。どんどん新しいAIをつくって世の中に出していきたいと思います(野口氏) └──────────
「GPT-Lab」受賞アイデア
パネルディスカッション後には授賞式が行なわれた。業務改善・利用人数・効果の観点で優れ、かつすぐにでも業務利用可能なアイデアには「Quickwin賞」、システム連携などの開発が必要ではあるものの、Quickwin賞同様優れたアイデアには「Moonshot賞」、ダイレクトな効果の大小問わず何らかの価値を突き詰めたアイデアには「誠実な変態賞」、そしてコクヨグループ社員によるオンライン投票でもっとも票数が多かったアイデアには「オーディエンス賞」の4つの賞が贈られた。 ■ 競合品拾い出しAI(Quickwin賞・オーディエンス賞) LLM(Large language Models:大規模言語モデル)を用いて、お客様の既存製品に相当するコクヨ製品情報を検索し、営業担当者に提案するアプリ。テーマ設定の観点や実現性、拡張性が評価され、Quickwin賞とオーディエンス賞を獲得。 ■ 顧客ニーズ発見AI(Moonshot賞) 写真内容を画像処理AIでテキスト化して蓄積。LLMを用いて蓄積情報から新商品のアイデアの元となる企画案を生成するアプリ。顧客への提案アイデアの幅を広げることができる点が評価され、Moonshot賞を獲得。 ■ 没入会議サマライザー(誠実な変態賞)