渋野日向子が全英女子OP2日目に「73」で7位タイ後退も「よく耐えた」と“反撃宣言”をした理由とは?
たとえばティショットを右のラフへ打ち込んだ前出の2番。セカンドショットもグリーンをオーバーし、アプローチもショートしてしまった状況で、約3メートルのパーパットを沈めて連続ボギー発進という最悪のケースを回避した。 2日目で唯一のバーディーを9番(パー5、495ヤード)で奪い、勢いに乗ってパーオンに成功した10番(パー4、433ヤード)。気負いすぎてしまったのか。長い距離のバーディーパットを、渋野は3メートル近くもオーバーさせてしまった。 「狙いにいくようなパットではなかったんですけど、ちょっと打ち過ぎてしまって。本当に何をしているんだ、と思っていました」 穏やかならぬ胸中をこう明かしながら、気持ちを切り替えた渋野は返しのパーパットを完璧に沈めてピンチを脱した。結果としてパーとなった他のホールでも、難しい距離からのバーディーパットがカップの左右を何度もかすめていった。 プロテストに合格した2018年7月まで愛用していた、後方に丸く膨らんだ形状からかまぼこ型とも呼ばれるマレット型のパターに戻して3大会目。初日で8バーディーを奪った渋野の声を「自分が自分でないぐらいパッティングが入ってくれた」と弾ませた好感触は、2日目になっても脈打っていた。渋野はこんな言葉も残している。 「3パットでボギーにしたホール(6番)以外は、全体的にパッティングはすごく感じがよかったですね。あとはラインが合って入ってくれたら、という微妙なパッティングが多かったので、本当にいい状態ではあるかなと思っています」 そこへようやくショットが噛み合ってきた、という手応えが加わった。 17番(パー5、551ヤード)と18番は、ドライバーをバランスよく振り抜いたティショットがともにフェアウェイをしっかりとキープ。後者では残り150ヤードあまりのセカンドショットも、6番アイアンで8メートルにパーオンさせた。 下りのバーディーパットはカップの左をかすめ、2日目を1バーディー、3ボギーと上位陣ではただ一人、オーバーパーで終えた。それでも渋野は下を向かなかった。 「途中まではなかなか噛み合いませんでしたけど、最後のホールはすごくいいショットを打つことができた。こういうスコアに終わってしまいましたけど、結果的には本当によく耐えた、と思ってもいいぐらいの内容だったかな、と」 さらに2日間を戦える状況が、渋野の表情をほころばせる。 今季から初めて本格参戦しているアメリカ女子ツアーで、予選を通過するのは3大会ぶり9度目となる。もっとも、6月第4週のKPMG全米女子プロでは体調不良が限界に達して、3日目のスタートを前にプロになって初めて棄権している。