なぜ渋野日向子は注目の”凱旋試合”で予選落ちしてしまったのか…大ギャラリーの緊張感と露呈した調整不足
女子ゴルフの「ブリヂストンレディスオープン」の 2日目が20日、千葉の袖ヶ浦CC袖ヶ浦コース(6713ヤード・パー72)で行われ、今季国内初参戦で注目の 渋野日向子(23、サントリー)は2バーディー、3ボギーの「73」でプレーしたが、通算3オーバーの69位タイでカットラインに1打及ばず予選落ちした。渋野は、昨年12月の米ツアー最終予選会(Qシリーズ)を20位タイで通過し、今季から主戦場を念願の米ツアーに移した。“シブコスマイル“見たさに平日にもかかわらず多くのギャラリーが訪れたが、期待に応えることができず、凱旋試合は2日間で終演となった。
「(100点満点で)10点くらいのゴルフだった」
昨年11月の「大王製紙エリエールレディス」以来の国内ツアーとなった19日の第1ラウンド(R)は2バーディー、4ボギーの2オーバー、74で67位発進。20日の第2Rは2バーディー、3ボギーの73と予選ラウンドの2日間はともにオーバーパーをたたいた。 米国よりは圧倒的に高い日本の女子ゴルフ人気。 大ギャラリーには慣れているはずの渋野だが、第1Rのホールアウト後に「あれだけたくさんのギャラリーの前でプレーするのは久しぶりで緊張があった」と話したのは偽らざる本音だろう。3000人以上のギャラリーを前にしての緊張感がショットを狂わせた原因のひとつに違いない。 「緊張感のある中でのショットの再現性の低さが出てしまった。緊張する中でも自分のやるべきことをやり切れるような心の準備というか。体の土台とかが必要になってくる」というのが渋野の自己分析。 インから出て、15番(パー4)で10ヤードもない3打目のアプローチが5メートルしか寄らずにボギーが先行した。直後の16番(パー4)で2メートルを沈めて得意とするバウンスバックに成功したが、後半のアウトは4メートルを外した2番(パー5)からの2連続など3ボギーを打った。 「手前ピンの手前に外し、奥ピンの奥に外すなど打ってはいけないところに打ってしまった。バーディーが取りたいという欲に負けた感じ。ゴルフの内容は最低だったし、10点くらいのゴルフだった」 今季はここまで米ツアー7試合に出場し、4月のメジャー第1戦「シェブロン選手権」で4位タイに入り、ハワイでの「ロッテ選手権」は2位となった。5月1日が最終日だった帰国直前の「パロスバーデス選手権」で初の予選落ちを喫したが、現在のポイントランキングは23位。5月以降の出場優先順位を決める第1回リシャッフルは難なくクリアして今後の出場権を獲得し、すでに来季のシードもほぼ手中にしている。ある程度の手応えと自信を手にしての今回の凱旋だっただけに、予選落ちという結果は渋野にとってもショックだったに違いない。