【動画】25年に日本でも実証実験!完全無人タクシー「Waymo」、米ロサンゼルスで早速体験してみた
日本でも実証実験へ
システムの完成度は非常に高いものの、Waymoはこれまで無事故というわけではない。2024年2月にはサンフランシスコで自転車との軽い接触事故が発生し、それまでにも軽微な事故は数百件ほど経験している。Waymoは2023年に710万マイル(約1136万Km)の走行を完了した時点で傷害が発生した事故は3件と発表、通常の人間が運転するよりも2倍近く安全だと主張した。 車体を見ると、事故など緊急事態発生時の対応への対応に細心の配慮がなされている印象を受けた。もちろん各種ハードウェアによって事故の発生自体を未然に防ぐ努力を尽くされているが、それでも万が一緊急事態が発生した場合は、すぐにオペレーターに接続して連絡が行く。また、現場で対応する警察・消防・救急人員向けの緊急時マニュアルも簡単にアクセルできるよう、車両外部にQRコードが貼られている。 クルマの自動運転システムには大きく分けて2種類の方式がある。1つ目はLiDARユニットを搭載し、事前に構築された地図情報をベースに車両が走行する方式で、これはWaymoが採用するモデルだ。もう一つはより安価な高精細カメラを複数搭載し、事前情報がない道路でもリアルタイムで画像検知し、周囲の状況を判断する方式だ。こちらは米テスラが提供するレベル2の自動運転システム「Autopilot」が採用するほか、日本のベンチャー企業「TURING」も開発を進め、ゆくゆくは幅広い状況においてレベル5の完全自動運転を達成できると主張している。 今回試乗したWaymoは、現時点で世界最先端とされる無人タクシーサービスだ。2025年の早い時期に東京都内で配車アプリ大手GOや日本交通と組んで自動運転技術の実証実験を行うことが発表されている。これはアメリカ以外での初めての試みとなる。車両は今回試乗したのと同じジャガーI-PACEを25台投入し、将来的にはより安価なヒョンデ製BEVの導入も噂されている。日本のタクシー業界では、Waymoのような無人タクシーによってドライバーの不足や高齢化による事故増加といった課題が改善されることへの大きな期待が寄せられている。 (文:中国車研究家 加藤ヒロト)