【動画】25年に日本でも実証実験!完全無人タクシー「Waymo」、米ロサンゼルスで早速体験してみた
Waymoの現在の主力車両はイギリスの老舗メーカー「ジャガー」から供給されている純電動SUV「I-PACE」である。通常のI-PACEをベースに、オーストリアの自動車製造大手「マグナ」がWaymoサービスに必要なハードウェア部品を架装、専用モデル「I-PACE Waymo」を製造する形だ。I-PACE Waymoはフロントに1基、サイドに2基、そしてリアに1基の合計4基のLiDARユニット(レーザーを照射して周りの障害物を検知する装置)を軸に、6個のレーダー、29個のカメラ、そして8個の超音波センサーを搭載する。超音波センサー以外はWaymoモデル独自のハードウェアとなっているが、自社開発のユニットを採用しているため、極力突起形状を避け、車体のデザインと上手く馴染むように搭載されている。
アメリカ・ロサンゼルスでWaymoに乗ってみた
2024年11月、筆者はロサンゼルスで開催されたロサンゼルスオートショー2024の取材に際し、実際にロサンゼルス中心部でWaymoを体験した。乗車に必要な予約や支払い、現在地の確認などはすべてWaymo Oneアプリ内で完結しており、アプリ自体のUIもグラフィカルで見やすい印象だ。 まずアプリを開くと地図が展開され、目的地を指定する。予約が完了されると乗車定員や荷物スペース、そして子供がいる場合はチャイルドシート等の補助装置の使用を促すなどの案内が画面上に表示され、ピックアップまでの所要時間が確定する。支払いはこの段階で済ませるが、Apple PayやGoogle Payといったスマートフォン内蔵決済方法に加え、クレジットカードの入力などに対応している。 複数のWaymoが同じ地点でピックアップする際も迷わないよう、車体のルーフに設置されているディスプレイに乗客専用の2文字IDをアプリ内で設定可能だ。その後、Waymoが実際にピックアップ地点に登場すると6分ほど待機してくれるので、筆者はこの時車椅子1台を含む家族3人で体験したが、車椅子からの乗車、そしてトランクへの積載には十分な時間だった。乗車用意が完了するとアプリ上で画面をスワイプ、いよいよ完全自動運転の世界が始まる。 車内にはフロント用とリア用にそれぞれ1基ずつディスプレイが搭載されており、目的地までの所要時間やマップ、天気、そして音楽の操作などが行なえる。これら情報はもちろんアプリ上でも確認・操作が可能だ。再生できる音楽はあらかじめシステム上で用意されている形だが、Google Assistant経由でGoogleアカウントにサインインすることで、YouTube上の好きな音楽を再生することも可能だ。 初めての完全自動運転体験ということもあり、ドライバーがいない状態でハンドルだけが回転してクルマが動くというのはなんとも不気味に感じた。しかし、信号での停車や発進、右左折、そして横断歩道での歩行者検知はとてもスムーズで違和感を覚えない。ただ、I-PACE自体のモーター加速特性が若干急なためか、発進時の加速Gは大きく、不快に感じないよう身構えないといけないのが難点と感じた。 目的地に到着したらアプリ上で操作を行ない、それまで乗っていたWaymoタクシーは次の客を乗せに速やかにその場を離れていく。結構急な加速だったため、客を載せた状態とそうでない状態で運転特性を分けているのだろう。時間帯や混雑状況にもよるが、2マイル(約3.2キロメートル)ほどの距離を10分ほどかけて移動、運賃は11ドル(約1700円)といった具合。世界トップの完全自動運転を体験できるアトラクション代としては高くないと感じた。