元気で活発な赤ちゃん星 広がる泡のような構造
宇宙を飛ぶNASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡」と南米チリの標高約5000メートルの高原にある「アルマ望遠鏡」という2つの望遠鏡が、共同作業で美しい写真を鮮明にとらえました。 発見された岩石惑星は”灼熱地獄”だった? 今年8月、「アルマ望遠鏡」が電波を使って赤ちゃん星を撮影。次に「スピッツァー」が赤外線で撮影。これらを合成してできたのがこの画像です。 天体望遠鏡というと、大きなレンズで目に見える光を大きく拡大するものを想像します。そうした目に見える光をとらえる望遠鏡のほかに、目に見えない“光”をとらえる望遠鏡もあります。それが赤外線や電波をとらえる望遠鏡です。 目に見えないのに見えるってどういうこと? テレビのリモコンのボタンを押してデジカメでリモコンの送信部分をのぞいてみましょう。目に見えない光(赤外線)が見えましたね? 電波も同じように観測できるのです。 この美しい天体は、ハービッグ・ハロー天体「HH 46/47」といいます(Herbig-HaroだからHHです)。星には人間と同じで、誕生から死までの“人生”があります。生まれたての星は、超音速のジェット流を正反対の方向に噴射します。このジェット流が宇宙にある塵などの物質とぶつかると衝撃波で小さな明るい星雲状の天体ができます。この雲状の天体が「ハービッグ・ハロー」です。 画像を見ると、左上方向のジェットはその進む先を妨げる物質が少なく、右下方向のジェットは塵やガスの濃い領域にぶつかっているのが見て取れます。 「スピッツァーのおかげで、広がる泡のような構造を持つジェットのようすがとても詳しくわかります」(米カリフォルニア工科大学の赤外線処理分析センターのAlberto Noriega-Crespoさん)。 (参考:AstroArts)