レッドソックスが7年総額約73億円で“キューバの怪物”と契約合意
米メジャー界で話題沸騰となっていたキューバからの大物新人、ルスネイ・カスティーヨ(27)が、7年総額7250万ドル(約73億円)でレッドソックスと合意したと、22日(日本時間23日)の米メディアが一斉に報じた。同外野手にはレッドソックス以外にタイガース、フィリーズ、ヤンキース、カブスなどの複数球団が獲得に乗り出していたと言われ、大争奪戦が展開された中、最終的に契約を勝ち取ったのは、5000万ドル(約50億円)前後と噂されていた巷の予想を遥かに上回る高年俸を提示したレッドソックスだった。これは、ホワイトソックスがホセ・アブレイユに提示した6年総額6800万ドル(約68億円)を上回るキューバ選手最高年俸で、すなわち、アマチュア選手を対象とした契約では大リーグ史上最高額となった。 地元紙「ボストングローブ紙」によると、カスティーヨはキューバの国内試合360試合で打率319、出塁率383、51本塁打、76盗塁の成績を残したとされているが、その情報は謎のベールに包まれている。亡命の危険が高いことを懸念したキューバ政府が国際試合への出場を許可せず、国内リーグへの出場停止処分を受けて去年1年間、プレーしていないからだ。7月末にフロリダ州で行われた公開練習にはメジャー28球団、総勢100人のスカウトが視察に訪れた。争奪戦には、ヤンキースなど財政豊かな金持ち球団がこぞって参戦。入札は22日が締め切りとなっていた。 昨年ポスティングシステムを利用してヤンキースに入団した田中将大投手の場合も、7年総額1億6000万ドル(約160億円)というメガ契約は「メジャーで1球も投げていない投手に妥当な投資か」と米国内で話題になった。カスティーヨについても同様の論議があったが、昨年、FAのエルズベリー外野手がヤンキースと7年総額1億5300万ドル(約153億円)の契約を結んだことを考えれば、「半額セール」という見方もある。また、亡命キューバ選手には、田中の場合に発生した旧所属球団・楽天への2000万ドル(約20億円)の入札金が不要な分、お買い得という意見もある。