紙の健康保険証がついに発行停止。批判も多いけど、実は......病院や薬局はもちろん、救急搬送時にも役立ちます! マイナ保険証のあえて"メリットだけ"超速解説
12月2日から紙の健康保険証は廃止されて、その機能はマイナンバーカードと一体化。これにより新トラブルの発生が予想されるものの、実は各種医療手続きが快適になるメリットもアリ。そんなマイナ保険証の優秀スペックを紹介します! 【画像】マイナ保険証に対応したアマゾンのオンライン薬局ほか * * * ■マイナ保険証のメリットにも注目です! 12月2日からマイナンバーカードと健康保険証が一体化。紙の保険証は新規発行停止となり、病院や薬局では基本的にマイナ保険証を利用することになる。これまでのマイナ関連は導入直後からトラブル頻発で、本来注目されるべきメリットを忘れられがち。 そんなマイナ保険証のメリットをITジャーナリストの三上 洋さんにお聞きします! ――デジタル庁が発表したデータによれば、今年10月時点でのマイナンバーカードの累計交付枚数は1億383万枚で、その保有枚数は9388万枚。マイナポイントの還元もあり、マイナ保険証の登録率は81.2%になっています。 しかし、マイナ保険証の利用率は約15%とかなり低くなっているのが現状。この利用率の低さにはどんな理由があるのでしょうか? 三上 現在、病院や薬局側にはマイナ保険証に対応したカードリーダーが設置されており、これに患者さんがマイナンバーカードをかざして顔認証か4桁の暗証番号を入力して本人確認を行ないます。そして患者の医療に関するデータを病院や薬局側と共有することに同意した上で診療を受けます。 しかし、高齢者にとってはこの端末の操作が難しく感じられることも多く、病院・薬局側のスタッフたちが患者さんひとりひとりに操作方法を教えるということが発生していました。 このような事情もあって病院・薬局側は「紙の保険証とマイナンバーカード、両方持ってきてください」と患者さんにアナウンスするところもあったのです。それで高齢者たちは端末を使わず、これまでどおり受付で紙の保険証を提示するようになり、マイナ保険証の利用率が上がりませんでした。 ――そんなマイナ保険証ですが、今後は病院・薬局に設置されるカードリーダー端末を使って「マイナ受付」をすることが基本。この端末のメリットは? 三上 まず患者さんの過去の診療や薬剤に関する情報を、医師や薬剤師と共有することができます。 ――でも、患者さんのかかりつけの病院なら、紙の保険証で本人確認できれば過去の診療や薬剤データも電子カルテから確認できるのでは? 三上 電子カルテであっても、かかりつけの病院以外だと診療や薬剤の共有はありません。しかし、マイナ保険証ではどこの病院に行っても、本人の同意があれば情報共有をできるのが特徴です。 これまではお薬手帳や患者さんの記憶を頼りにして、持病や薬剤を確認していましたが、カードリーダーでマイナ保険証を読み込むマイナ受付のシステムではそういった部分が効率化されているのです。 マイナ保険証に対応する病院であれば診察券としても機能し、これまでのように◯◯クリニック、◯◯整形外科、◯◯歯科など個別に診察券を持つ必要もありません。 そして、このカードリーダーは不正行為防止にも効果を発揮するのです。