生活保護の支給を待てないほど生活が「困窮」しています…身寄りもないのですが、何か利用できる制度はあるでしょうか?
新型コロナウイルス感染症や物価高などの影響を受けて、生活に困窮している方は増加傾向にあります。 厚生労働省によると、生活困窮者の新規相談件数は、令和元年から令和2年にかけて約3.2倍に増加しているとのことです。このまま物価高が続くと、生活保護資金の受給前に資金が尽きてしまうことが懸念されます。 そこで今回は、収入が減少して、生活資金に困っている方が利用できる「臨時特例つなぎ資金貸付制度」に焦点を当てて、その制度や利用条件について詳しく解説します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
「臨時特例つなぎ資金貸付制度」とは?
臨時特例つなぎ資金貸付制度は、住居がない離職者が利用できる支援制度です。公的給付制度または公的貸付制度の申請は通ったものの、支給されるまでの生活に困難が生じているケースに利用できます。該当する公的支援は、以下の通りです。 ・公的給付制度:失業給付、各種年金、生活保護など ・公的貸付制度:生活福祉資金(総合支援資金)など 臨時特例つなぎ資金貸付制度の概要を、表1にまとめました。
※厚生労働省「臨時特例つなぎ資金貸付制度」を基に筆者作成 臨時特例つなぎ資金貸付制度は「支給」ではなく「貸付」ですので、生活保護とは異なり、返済が必要な点にご注意ください。 申請中の公的給付制度または公的貸付制度の支給が決定して、交付を受けてから1ヶ月以内に返済しなければなりません。貸付金額の全額を、一括で返済する必要があります。 万が一申請中の公的支援が受けられないとしても、申請が却下されてから1ヶ月以内に全額を一括で返済しなければならないことを覚えておきましょう。
臨時特例つなぎ資金貸付制度の利用方法
臨時特例つなぎ資金貸付制度の申請窓口は、各市区町村に設置されている社会福祉協議会です。以下に利用手順をまとめました。 ・必要書類の準備 ※公的支援制度の申請が受理されていることを証明する書類、預金通帳(申請者名義)の写し ・申込書、借用書の記入 ※申込書は市区町村の社会福祉協議会で取得 ・申し込み ※状況に応じて、家族面談が必要な場合もある ・貸付審査 ・入金 申し込み後は、都道府県の社会福祉協議会で貸付審査に通されます。問題なく審査が通れば、提示した金融機関口座に入金される仕組みです。まずは、お住まいの市区町村の社会福祉協議会へ相談してみましょう。