【NBA】ウォリアーズは5勝1敗と好スタート、スプラッシュ・ブラザーズの解散が『ウォリアーズらしさ』を呼び戻す意外な展開に
誰もが起点&フィニッシャーになる多彩な攻めが復活
クレイ・トンプソンが退団を選び、一つの時代が終わったはずのウォリアーズでしたが、ベンチスタートながら平均22.2得点でチームのリーディングスコアラーとなっているバディ・ヒールドを筆頭に2桁得点が6人というバランスアタックで、リーグ3位の121.0という得点力を武器に、5勝1敗と好調なスタートを切りました。 ここまでチームの3ポイントシュート成功率が40%を超えており、3試合目でステフィン・カリーが離脱するも、4年目のモーゼス・ムーディーや新加入のリンディー・ウォーターズ三世がオフボールムーブからの3ポイントシュートを高確率で決めてその穴を埋めています。頼れるシューターの人数が増えたことでボールムーブが今まで以上に活発となり、1試合当たりのパス数は昨シーズンより43本も増えています。 また、単にアウトサイドシュートが好調なのではなく、シューター陣を囮にしたカットプレーも気持ち良く決まっています。シューターをフリーにするためにスクリーナーになった選手がゴール下に飛び込んだり、シューター自身がスクリーナーになって相手を混乱させたりと、シュート能力の高さを様々な形で利用し、多彩な得点パターンを生み出しています。 得点だけでなく、誰もがアシスト役になっているのも特徴で、アシストランキングのトップ40に入っている選手が誰もいないにもかかわらず、チームとしてはリーグトップの30.7アシストを記録しています。ヒールドやウォータース三世、カイル・アンダーソンといった新加入組も、開幕直後とは思えないほどスムーズにオフェンスに絡んでおり、チーム全体に戦術が浸透しています。 オフボールムーブとパスを組み合わせたチーム戦術で、誰もが起点役になり、誰もがフィニッシャーになるエンターテイメント性と強さを兼ね備えた姿は、史上最多の73勝を記録した9年前の姿を思い起こさせる魅力があります。ウォリアーズの象徴であった『スプラッシュ・ブラザーズ』は解散しましたが、それで『ウォリアーズらしさ』が戻ってきている面白い開幕になっています。