【陸上】七種競技・本多七がU18日本最高&高2最高5295点!「全国で5300点以上を」洛南が最多得点で総合9連覇/IH近畿
◇インターハイ近畿地区大会(6月13~16日/大阪市・ヤンマースタジアム長居、ヤンマーフィールド長居)4日目 インターハイ近畿地区大会の優勝者をチェック! 福岡インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、男女800mで大会記録が更新されるなど、最後の最後まで手に汗握る激闘となった。 そうしたなか、2日間に渡って熱戦を繰り広げた女子七種競技でも好記録が誕生した。本多七(園田2兵庫)がU18日本最高、高2最高となる5295点で2連覇を達成。2日目のやり投も自己新の47m84で制しており、2冠に輝いた。 「1日目の砲丸投と200mが良くなく、ベストが出せるか不安もありました。でも、自己ベストを更新して優勝することが目標だったので、それが達成できて今はホッとしています」と満面の笑みを浮かべた。 2週間前の兵庫県大会で高2歴代3位の5214点を出していた本多。今回の7種目の内訳は、100mハードルと走高跳はともにベストタイの14秒16(-1.8)と1m62と幸先良く滑り出した。しかし、続く砲丸投はベストより1m以上届かない10m23。200mは県大会では向かい風1.9mで25秒73だったが、1.2mの追い風で25秒80にとどまる。 それでも、2日目に挽回。県大会で5m42(+1.2)だった走幅跳が5m65(-1.0)、やり投も45m72と高得点を稼ぎ、最後の800mへ。2分29秒15以内なら5300点台に乗せられる計算で、「苦手」ながらも「最後まで頑張りました」。2分29秒50と大台にはわずかに届かなかったものの、トータルの自己ベストは81点更新。「あと一歩届きませんでした」と悔しさをにじませつつ、「大きな失敗もなく、2試合連続でベストを更新としっかりまとめられたのは、全国に向けて自信になります」とうなずいた。 その全国では「5300点以上」を目標に掲げ、「200mのコーナー部分や砲丸投など、まだまだ改善点もあるので、全国までにそれらをしっかり修正していきたい」と言葉に力を込める。 高2の夏が終わってからも、「毎試合ベストを更新して、高3のインターハイでは優勝が目標です」ときっぱり。大きな苦手種目がなく、バランスの良さが本多の持ち味。一昨年、昨年とインターハイを連覇した林美希(中京大中京・愛知/現・早大)、日本歴代2位の記録を持つヘンプヒル恵(アトレ)らの高2時代のベストを上回り、ここからどこまで記録を伸ばしていくのか。その大きな一歩を、福岡で刻む。 4805点で2位に続いた福島波暖(東大阪大敬愛3)は、前日の400mハードルに続く銀メダル。この日も砲丸投7位、4×400mリレー6位(2走)とトラックに、フィールドにフル回転した。3位には4737点で井村愛奈(桜宮3大阪)が続いた。 注目の男女の800mは、男子が高校記録(1分46秒54)を持つ落合晃(滋賀学園3)がスタート直後から独走し、セカンドベスト、大会新の1分47秒30で3連覇を達成した。女子は久保凛(東大阪大敬愛2)が、こちらも独走で2分03秒50をマークして連覇。自身の持つU18日本記録を0.07秒更新した。東大阪大敬愛勢は2、3位にも北村凜(3年)、朝野流南(2年)が2分09秒42の同タイム(着差あり)で続いてメダル独占を果たした。この活躍で落合、久保がともに大会MVPに2年連続で選出。6月末の日本選手権に向け、自らの快走で弾みをつけた。 女子100mハードルは岸本礼菜(咲くやこの花3大阪)が混戦を抜け出し、13秒81(-0.9)で初優勝。男子110mハードルも、向かい風1.2mの中でキレのあるハードリングを見せた松前大雅(星陵3兵庫)が14秒14の好タイムで快勝した。 男子5000mは洛南の長距離主将を務める井上朋哉(3年)が、残り600mからロングスパートを決めて14分02秒19でV。女子3000mは序盤から主導権を握った池野絵莉(須磨学園2兵庫)がそのまま逃げ切り、9分11秒56で快勝した。4位までが9分16秒以内というハイレベルなレースだった。 男子やり投は上位3人が14cm差にひしめく大混戦を、筑紫公秀(西城陽3京都)が63m45で制覇。女子砲丸投は最終6投目に13m77の自己ベストをプットした野本菜々(花園3京都)が優勝した。昨秋に左膝前十字靭帯断裂の大ケガを負った昨年のインターハイ覇者・坂ちはる(大体大浪商3大阪)が、トップ8に入ってから復帰以来となるグライド投法を見せ、13m62の2位で全国へと駒を進めた。 男子三段跳は、5回目にただ1人15m台に乗せる15m13(-0.4)を跳んだ西村快斗(四条畷学園3大阪)が制し。初のインターハイ切符を手にした。 大会のフィナーレを飾った男女の4×400mリレー。女子は添上(奈良)が1走からトップを譲らず、3分47秒77で優勝。男子は3走でトップに立った洛南が後続を大きく引き離し、高校歴代8位の3分09秒20で快勝し、4×100mリレー続いて大会3連覇を飾った。 学校対抗の男子は、2019年にマークした最多得点の103点を上回る107点を積み上げた洛南が9連覇を達成。女子は59点の東大阪大敬愛が添上を3点差で振り切り、3年ぶりに女王の座に返り咲いた。 男子が3種目で6つ、女子が2つの大会新が誕生するなど、福岡インターハイに向け、活気あふれる大会となった。 全国インターハイは7月28日から8月1日に福岡・博多の森陸上競技場で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
花木 雫/月刊陸上競技