だしを取らないけど「毎食みそ汁は飲みたい」飛田和緒の冷蔵庫に必ず入っているもの
昆布やかつお節がなくてもだしは取れる
だしを取るには、これまで紹介しただし素材だけではありません。実はどんなものからでもだしは出ているのです。濃い、薄いはありますが、野菜にも昆布と同じグルタミン酸が含まれていますから。飛田さんがやっているのが野菜の皮や根、ヘタなどの捨ててしまう部分で取る野菜だし(ベジブロス)です。 「基本的にどんな野菜もOKで、特にねぎ類やにんにくやしょうがなどの香味野菜の皮が入ると香りよく、全体がまとまります。ただししゴーヤの種やワタ、かんきつ類の皮や種はたくさん入れると苦みが出ることもあるので量は加減して。1つだけ避けたいのがじゃがいもの皮。緑色になった部分があるとソラニンという天然毒素を含む可能性があるのでおすすめしません」 「野菜だしをおいしくするには、ある程度の量が必要です。下ごしらえなどでも、それほど量が出ない時は、いったんざるに広げて乾燥させるか、冷凍してストックしておきます。量がたまったら鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで火にかけます。沸騰したら弱めの中火で15分ほど煮出し、こしてでき上がり」 野菜だしは、どんな野菜を使ったかで毎回味が少しずつ変わるそうですが、「それもまた楽しい」と飛田さん。だしを取ったらどんな味になるか、塩、こしょうをして味わってみましょう。 「シンプルに野菜だしだけでスープもいいですし、炊き込みごはん、ピラフを作ることもあります。または水だしとミックスとして汁もの、煮もの、鍋のベースに使います。野菜だしだけだとあっさりし過ぎるというときは、はがした鶏皮や鶏手羽、ささ身、鶏ひき肉と合わせるとコクもうまみも濃くなります。お試しください」 フードスタイリストのKさんも水だし派ですが、使うのは“かつお節のアラ”だそうです。かつお節を削るときに出た血合いの多い部分や骨などで、かつお節専門店で購入。冷凍で売られているそう。 「いろいろ試してみたけど、今はこれに落ち着いています。みそ汁にも、煮ものにも使っています」 好みのだし素材が見つかるといいですね。 後編「水を注ぐだけ?飛田和緒が野菜を豪華な「ご飯のおかず」にする”水だし”レシピ」では、水だしの取り方と、だし汁を使った料理を紹介します。 取材・文:相沢ひろみ
飛田 和緒(料理家)