ブリッジウォーター創業者が指摘… 第2次トランプ政権を理解したければ、1930年代の極右政権を学ぶべし(海外)
ヘッジファンド世界最大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は、トランプ次期大統領の統治手法は1930年代に極右政権が試みたものだと指摘した。 【全画像をみる】ブリッジウォーター創業者が指摘… 第2次トランプ政権を理解したければ、1930年代の極右政権を学ぶべし ダリオ氏は、トランプ氏やトランプ政権を「ファシスト」と言っているわけではないと述べた。 ただ、「政府の刷新」や「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」といった政策は、こうした体制のやり方に似ていると同氏は指摘している。 ヘッジファンド世界最大手ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で著名投資家のレイ・ダリオ氏は、1930年代の極右政権を勉強することで、アメリカのトランプ次期大統領が"効率化"の旗印の下、この国の政府をどのように再編成しようとしているかが見えてくると述べた。 これまでも世界経済に関する自らの意見をしばしば明かしてきたダリオ氏は先週、自身の第2次トランプ政権の見通しをリンクトイン(LinkedIn)に投稿した。 「ドナルド・トランプと彼が指名しようとしている人々が、非効率的な企業を敵対的に買収する乗っ取り屋のように、政府とこの国を刷新することは今や明らかだ」とダリオ氏は書いている。 同氏は、トランプ次期大統領が推進する政府の再編成には主要スタッフの入れ替えやコスト削減、新たなテクノロジーの導入といった「大規模刷新」が含まれるという。 こうした中、トランプ次期大統領はイーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏を政府の効率化を担う新たな組織「政府効率化省(DOGE)」のトップに任命した。今のところ、2人は人員削減と連邦政府機関の一部廃止を計画している。 「ゴードン・ゲッコーと、『強欲は善だ』のスピーチで彼が伝えた物の見方を思い出してほしい」とダリオ氏はトランプ次期大統領のアプローチについて、1987年の映画『ウォール街』でマイケル・ダグラスが演じたキャラクターに触れた。 「これが政府と国全体にそのようなアプローチを取ろうとしている、アメリカの大統領の発言だと認識しつつ…」 「先に触れたように、歴史的に見て直近の類似事例は1930年代の極右政権だ」とダリオ氏は続けた。 同氏はトランプ政権がファシストになるとか、トランプ氏がファシストの指導者のように振る舞うと言っているわけではないと書いている。ただ、「アメリカ・ファースト」という外交政策を掲げる「政府の刷新」は、そのような政権がかつて試みたアプローチだとダリオ氏は指摘する。 「わたしが言いたいのは、国家主義、保護主義、トップダウン、政府主導の経済・社会政策で主導権を握り、国内の反対意見をほとんど許さず、国際社会においては大国間の紛争に巻き込まれている人間を理解するには、1930年代に同様の政策をとった国家がどのように行動したかを理解した方がいいということだ」
Matthew Loh