万博の海外誘客、中国依存の高まり危惧 前売り入場券低迷で現地大規模イベント
入場券の購入方法は外国人客も日本人客と同様となっている。ツアーで旅行会社が手配するケースなどは個人の手間はないが、そうでなければ自分で電子チケットを購入する必要がある。
協会は外国人客にも買い方が分かりやすくなるよう専用サイトを多言語対応とし、動画での案内を行っている。27日からは中国人向けに中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」での販売も開始した。ただイベントやパビリオンの予約は自分で行う必要があり、効果は不透明だ。(北京 井上浩平、三塚聖平)
■「拡張万博」が重要 アジア太平洋研究所の稲田義久研究統括
大阪・関西万博開催による経済的な効果を高めるには、万博会場での消費だけでなく会場外のイベントや施設をめぐってもらうことが重要になる。関西全体をパビリオンに見立てて観光客に周遊してもらう「拡張万博」の考え方だ。
アジア太平洋研究所では、万博の経済波及効果について、会場整備などの関連事業費が1・4兆円、来場者の消費による効果が1・3兆円の計2・7兆円と試算している。拡張万博の場合、会場だけでなく関西を周遊するため、日本人や外国人の宿泊数が伸び、日帰り客のリピーター率が上昇することが想定される。経済波及効果としては、先に示した2・7兆円から18~23%程度の増加が見込めると考えている。
来場者の消費効果を高めるには、いかに国内外に万博の魅力を訴求するかがポイントとなる。関西の周遊ルートの提示も不可欠だ。関西には特色ある企業や大学、観光地が多くあり、SNS(交流サイト)などを活用したそれらの積極的な発信が求められる。(聞き手 井上浩平)