万博の海外誘客、中国依存の高まり危惧 前売り入場券低迷で現地大規模イベント
2025年大阪・関西万博の前売り入場券の販売が伸び悩む中、万博を成功させるためには日本人客だけでなく外国人客を取り込むことが喫緊の課題となっている。このため中国・北京を訪問中の関西財界は27日、現地で大規模な万博のPRイベントを開催した。外国人客は期間中に約350万人を想定し、関西財界は中国を重視する。ただ米中対立などの懸念もあり、中国依存が高まりすぎることへの危惧も指摘される。 【写真】高層ビルを懸命に上るミャクミャク ■中国重視の関西財界 北京市内のホテルで開かれた万博のPRイベントには、中国の旅行会社やメディア関係者ら約100人が参加した。関西経済連合会の佐藤基嗣副会長は「万博には海外から、とりわけ隣国の中国からお越しいただき、楽しんでもらいたい」と呼び掛けた。 イベントには万博の公式キャラクター「ミャクミャク」も登場し、万博を運営する日本国際博覧会協会(万博協会)が万博の内容を紹介したほか、万博に合わせた訪日旅行の提案も行われた。 関西財界の訪中団で共同代表を務める関経連の松本正義会長は同日の会見で、万博成功の鍵は外国人の集客が握るとの認識を示し、「350万人といわず、400万人に来てもらえるよう中国をターゲットにしている」と強調した。 万博は来年4月13日から半年間、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市)で開催される。万博協会は期間中に約2820万人の来場を想定し、このうち外国人客は約12%の約350万人を見込む。この数字は、全体の訪日客数に対し、過去の万博での海外からの来場者数の比率を当てはめて算出している。 歴史的な円安基調や航空路線の増便などを背景に訪日客は急増している。日本政府観光局の推計では今年1~10月の訪日客は約3019万人となり、新型コロナウイルス禍前の2019年以来、5年ぶりに3千万人を超えた。10月の約331万人は単月では最多で、年間累計も19年の約3188万人を上回り、過去最多の更新が確実視されている。 ■誘客の多角化必要