新幹線の「窓際席」の乗客が30分に1回は席を立ちます。指定席ですが、「通路側」の私と席を替わってもらうのはアリでしょうか…?
「新幹線の指定席に座ったら窓際の乗客が頻繁に立って落ち着かない」という経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。このような場合、直接伝えて席を替わってもらえたら、解決するケースもあるでしょう。 そこで今回は、新幹線の席をやむを得ない事情で変更したい場合、直接交渉・指定席の移動をしても問題ないのかについて解説します。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
「座席指定券の効力」により指定席の交換は認められていない
東日本旅客鉄道株式会社が定める「旅客営業規則 第182条の4」によると、座席指定券を購入した場合、「座席指定券の効力」が発生します。 「座席指定券の効力」は、「その券面に指定された列車、旅客車若しくは座席に限って乗車することができる」というものです。そのため、指定席は乗車後、原則座席の変更ができないと考えられるでしょう。 また、直接交渉すること自体がトラブルになる可能性がありますし、仮に座席を交換できたとしてもその後にトラブルが発生する可能性もあります。今回のように乗客間で交渉して席を交換した場合は、本来認められていない行為であるため、交換後に何かトラブルが発生してもJR側で対応が難しい可能性があるでしょう。
理由があっても指定席から自由席の変更はできない
東日本旅客鉄道株式会社「きっぷあれこれ」によると、指定席から自由席の変更も認められていないようです。 「座席指定券の効力」にも反しているため、隣の乗客と席の交換が難しいからという理由でも自由席に移動する行為は控えた方がいいでしょう。 指定席から自由席に変更するには乗車前に一度取り消しをして、再度切符を発行する必要があります。そのため、乗車後に指定席から自由席に移ることは余程のことがない限り難しいでしょう。
座席変更による罰則はあるのか?
鉄道営業法第29条によると、「一 有効ノ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ」や「二 乗車券ニ指示シタルモノヨリ優等ノ車ニ乗リタルトキ」には「五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス」と記されています。 そのため、万が一勝手に席を移動して、鉄道営業法に反すると判断された場合は、処罰が科せられる可能性があるため注意が必要です。 なお、罰金は「五十円以下」と記載がありますが、罰金等臨時措置法により罰金の引き上げがある可能性もあるため、注意が必要です。