台風予測の番人、実測値で真の姿観測 小型機で「眼」に貫入飛行 気象学者・坪木和久さん『激甚気象はなぜ起こる』
■『激甚気象はなぜ起こる』新潮選書1760円税込み
地震、台風、洪水、竜巻―日本は激甚災害がどこでも起こり得る条件が揃っている。「伊勢湾台風」(1959年)や「平成30(2018)年7月豪雨」、最近では能登地方を襲った地震と台風被害など。本著ではそうした激甚気象の実態とメカニズムを解説し、気象の知識を増やすことで防災に役立てるヒントを説く。
■坪木和久(つぼき・かずひさ) 1962年兵庫県生まれ。62歳。北海道大学理学部卒。名古屋大学宇宙地球環境研究所教授、横浜国立大学総合学術高等研究院台風科学技術研究センター教授・副センター長を兼任。「航空機観測と数値モデルによる台風強度の研究」で2022年文科省の科学技術賞(研究部門)を受賞。現在「波」(新潮社)に科学エッセー「天気のからくり」を連載中。
取材・冨安京子
撮影・鴨志田拓海