「まさかの斎藤氏当選」「驚きのトランプ圧勝」 なぜプロの見立てや予測は外れるのか
「石破おろし」「高市氏が新党結成」
衆院選後には「石破おろし」や「高市氏が新党結成」の可能性も取り沙汰された。 「永田町の人たちは離合集散や“花いちもんめ”、つまり政局が大好きですからね(笑)。そうなると面白い、と考える人や、そうなるといいな、と思うごく少数の人が積極的にそういう見立てを語ったわけです。でも、多くの自民党議員からすれば、あれだけ大々的にお金もかけて選んだ総裁をすぐに辞めさせるというのは道理に合わない。高市氏に子分がおらず党内基盤が極めて弱いことも踏まえれば、高市氏の離党や新党結成がいかに絵空事だったか明白だったと思うのですが、そういう冷静な見方はあまり歓迎されないんですよね」(同) 落選すればただの人になる政治家やその秘書たちを中心に永田町のいる人たちは、自身の願望を語りすぎだということなのかもしれない。 国外に目を向けると、超激戦が予想されていた米大統領選でもトランプ前大統領が圧勝し、上下院も共和党が多数派を占める結果となった。もちろん対抗馬のハリス副大統領との得票差は極めてわずかではあるのだが。
ポリマーケット
「自戒をこめての発言になりますが、日本の在米支局が独自に選挙情勢を調査していることはありません。米メディアの世論調査をベースに各スタッフの取材を加味して“大激戦”と表現していたわけですが、ポリマーケットと世論調査の乖離はよく指摘されていました」(同) ポリマーケットとは簡単に言うと暗号通貨を使ったオッズサイトのことで、米大統領選に関してはトランプ氏の勝利確率が高いことを示し続けてきた。 「世論調査ではトランプ、ハリスの両氏が拮抗していましたが、ポリマーケットではかなりの差が出ていました。カネがかかっていてみなさん真剣になるので確度も高くなるということはかねて言われてきたことなのですが、改めてそのことを証明した格好です」(同) 事実、トランプ政権入りが決まったイーロン・マスク氏も自身のXで「ポリマーケットでは実際のカネが動くため、世論調査よりも正確だ」と発信している。 「今後は実態をより反映しているという意味で、ポリマーケットなどの状況を日本でもそれなりに紹介せざるを得なくなるのかもしれませんね」(同) もともと答えても何のメリットもない世論調査に正直に答える義理はなかった。それでも一定の正確性があったのは、調査側への信頼感や親近感を回答者が抱いていたからという面はある。プロが予測を外し続ければ、その信頼感や親近感がより下がっていくのは間違いないだろう。 デイリー新潮編集部
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