「親に愛されている子」より「虐待を受けている子」のほうが“親に好意的”なワケ【Xフォロワー1.5万人・心理カウンセラーが解説】
「今のしんどさ」を軽くするために
子どもは生き残るために親を好きになり、「親に合わせよう」として、親のことを考え続けるという思考になっていきます。これは意外なほど“思考の癖”として強化されていることが珍しくありません。 子どものころは、自分のすべてを親にゆだねるしかありません。そのため、最高権力者である親のことを考えることは、安全の確保と危険の察知のために不可欠なので適応的な反応です。ただ、その“思考の癖”が大人になっても抜けないままであると、苦しみの原因になっていることがあります。 今の自分の“思考傾向”は、子どものときに必要だった習慣がそのまま受け継がれている可能性が高いと言えます。“思考の癖”は、そう簡単には抜けません。 けれども、意識すれば少しずつ確実に変えていくことができます。 初めは、どんなに自分の好きなようにと思っても、「親の意見が気になる」「親を悲しませたくない」と自分を優先できない息苦しさを抱えることと思います。 そのようなときは、どうか「親を気にしているのは子どものころの自分であって、今の自分ではない」と考えてみてください。 「親のことを考えてしまうのは癖かもしれない」と気づき、「今はもうそこまで考えなくていい」と見直していけると、今のご自身に適した対策を作っていけます。 今のあなたは自由です。あなたの人生をコントロールするのは、もう親ではありません。どうか、「もう自分で決めて大丈夫になったんだよ」と優しい言葉をご自身にかけてあげてほしいと思います。 ---------------------------------------- <本稿のまとめ> ●「親が好きだった」のは、自分が生き残るため。 ●今の“思考の癖”は、これから変えていける。 ●今の人生は、自分自身で決めていい。 ---------------------------------------- 心理カウンセラー 寝子 臨床心理士。公認心理師。スクールカウンセラーや私設相談室カウンセラーなどを経て、現在は医療機関で成人のトラウマケアに特化した個別カウンセリングに従事。トラウマの中でも、親子関係からのトラウマケアと性犯罪被害者支援をライフワークとしている。 臨床業務の傍ら、X(旧Twitter)で心理に関する発信をし始め、フォロワー1.5万人超え(2024年1月時点)。対処法よりも自分を理解することに重きを置いた内容が支持され、ブログ記事は「探していた答えが書いてあった」「自分の状態がクリアに理解できた」と評判になっている。
寝子
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