舘ひろしも医学部受験2浪目に経験。浪人生の6割におとずれる「勉強離れ期」。一番多かった理由は?【浪人経験者へアンケート】
医学部入試は定員増も、受験倍率は難化
少子化により志願者数減を受けて、大学受験のハードルは下がっているようにも思えますが、医学部に関しては人気が高騰しており難化傾向にあります。 一方で医師不足は深刻化しています。それを受け、医学部の入学定員数は、昭和57年及び平成9年の閣議決定により7,625人まで抑制されていましたが、平成21年度に入学定員を8,486人に増員されたのをきっかけに、押し並べて右肩上がりに上昇しています。 医学部入試の倍率は高騰しているにもかかわらず、医師不足が指摘されるという、一見すると相反する状況が生じているのは果たして何故でしょうか? 理由の1つに、地域医療における医師の不足が挙げられます。首都圏を中心に、都市部に医師が集中した結果、地方の医師不足及び都市部との格差が深刻化しました。 こうした背景のなか、地域の医師確保等の観点から平成22年度以降における医学部の入学定員数は最大9,420人まで増やされ、最新データの令和5年は9,384人まで増員されています。 (参照: 医学部入学定員と地域枠の年次推移|文部科学省 、 令和6年度 医学部入学定員増について|文部科学省 )
広がる医療の地域格差。医師が都市部に集中する理由は?
それでは何故、地域医療ではなく都市部で医療に貢献したいと考える医師が多いのでしょうか? 全国の大学医学部医学科に通う医学生115名を対象に、公益財団法人川野小児医学奨学財団が実施したアンケートにて「医師になったら、地元で働きたいですか」という質問に対し「いいえ」と答えた学生の理由を見てみましょう。 自身が理想とする医師を目指すためには地元では経験できないキャリアを選択する必要があるから(2年生 静岡県)、山間の過疎地域であり専門的なスキルを高める、維持するのが困難と思われるから(2年生 千葉県)、知り合いの診察は抵抗がある(6年生 鹿児島県)。海外に出たい(3年生 東京都) (参照: 医学生の意識調査| 公益財団法人川野小児医学奨学財団 ) といったものでした。高度なスキルを獲得し専門的なキャリアを積むうえで、患者数や症例数が限られる地方は不利になると考える人が多いようです。