【2025年期待の一頭】スケールはすでにGⅠ級!海外タイトルも狙えるポールセン/山河浩
山河浩【ポールセン(牡3・斎藤誠)】
一昨年はデルマソトガケを、昨年はフォーエバーヤングを当欄で取り上げた。ともにケンタッキーダービー→BCクラシックに挑戦し前者は6着→2着、後者は3→3着に善戦。遠い川崎(左回り)の地で行われるJpnⅠ競走(2018年から国際レース)は案外にダート競馬の本場・アメリカの頂上決戦と親和性が高いようだ。 24年の全日本2歳優駿を勝ったのはミリアッドラヴ。16年リエノテソーロ以来となる牝馬Vとなった。1分42秒4(良)の走破タイムが稍重で行われた前2年を上回ったとあれば、このニューイヤーズデイ産駒が25年の3歳ダート戦線の中心となるか? しかし断然の1番人気(単勝140円)に支持されたナチュラルライズの凡走(4着)に助けられた側面もあり、評価は次走のパフォーマンスを待ちたい。 全日本2歳優駿に限らず、ダートの2歳・特別戦は出世レースとしての機能性が、3歳時の〝受け皿〟の充実により高まっている。23年の寒椿賞(1勝クラス、中京ダート1400メートル)を制したラムジェットはリステッド・ヒヤシンスS→GⅢユニコーンS→JpnⅠ・東京ダービーと4連勝を達成した。早期の2勝目ゲットは海外を目指すにせよ、南関東3冠路線を歩むにせよ、その前哨戦へのゲートインを果たすために大きな意味を持つ。 ポールセンは24年の寒椿賞を1分24秒9(良)で4馬身差圧勝。ラムジェットが1分26秒0(稍重)で1馬身差勝ちだから、スケール感はすでにGⅠ級と判断できる。父は5年連続(19~23年)で北米リーディングサイアーのイントゥミスチーフ、母がダートGⅠ2勝のセパレイションオブパワーズと血統背景もワールドクラス。新潟→東京→中京と左回りでキャリアを重ねたとあれば、中東、そしてアメリカでのタイトル奪取も現実味を帯びてくる。
山河 浩