バブルを彩った"直線番長" 速い、安い、カッコいい三菱GTOを評論家がほぼほぼ酷評した理由
4WD+4WDで登場
GTOはオフロードではパジェロ、スポーツ4WDではギャランVR-4とスバルのお株を奪う"ヨンクの三菱"として名をはせていたが、GTOはツインターボ、NAとも4WDを採用して登場。 三菱が4WDを採用したのは、誰もが安心・安全にハイパワースポーツを楽しめる、というコンセプトとしていたからだ。 その4WDには後輪をステアする四輪操舵(4WS)が組み合わされていた。この4WDは低速での逆位相はなく、50km/h以上で前輪と同じ同位相にリアタイヤがステアするタイプで、高速道路のレーンチェンジなどをスムーズにするために装着されていた。コーナリング時の回頭性をよくする、快適なクルージングのためといった意味合いが大きい。
いろいろな装備を満載
三菱のスポーツモデルと言えば、前述のギャランGTO、FTO、ランサーセレステ、スタリオンが存在するが、サイズ的にもGTOは三菱にとって新たなチャレンジだったため、ギミックも含めいろいろな装備も満載されていた。 ■ECS(電子制御サスペンション) 走行条件に応じて、フロント、リアの合計4本のショックアブソーバーの減衰力を3段階に制御することができる ■ベンチレーテッドディスク フロントは対向4ピストンのアルミキャリパーを採用。これに冷却性能に優れた大容量ベンチレーテッドディスクを組み合わせ、リアもベンチレーテッドディスクを装着することでストッピングパワーを強化 ■ゲトラグ社のミッション(日本初) 初期は5速MT、中期以降は6速MTを採用したのはGTOが日本車初 ■アクティブ・エアロシステム(日本初) 車速80km/h以上で前後スポイラーを可変化させ、ダウンフォースを制御することで高速走行時のスタビリティを向上させる ■アクティブ・エキゾーストシステム(日本初) 室内のスイッチ操作によって排気音をノーマルモードとサイレントモードの2種に切替えることできる。夜間の住宅街などでサイレントモードが重宝した これだけ装備が充実していながら車両価格はライバルよりも大幅に安い330万円~390万円というのは魅力的だった。