バブルを彩った"直線番長" 速い、安い、カッコいい三菱GTOを評論家がほぼほぼ酷評した理由
スポーツカーとしてわかりやすいデザイン
流麗なエクステリアデザインもGTOの魅力を語るうえでは欠かせない要素。GTOはスタリオン、エクリプスに次ぐ三菱3番目となるリトラクタブルヘッドライトを装備。ワイド&ローのZライン、曲面ガラスを使いサイドに大きく回り込んだリアウィンドウ、真横から見ると光のラインが一度下がってまた競り上がる複雑な面構成などが特徴で、誰が見てもスポーツカーとわかるわかりやすいデザインで登場。 ボンネットが低いデザインとエアロフォルムにより、GTOの空気抵抗係数(Cd値)は、当時のスポーツカーとしては優れた0.33(GT-Rは0.40)。 プアマンズフェラーリと揶揄する人もいたが、実際にはフェラーリとは異質の三菱のオリジナリティが盛り込まれている。筆者は今見てもカッコいいと思う。 しかし、リアフェンダー下に装着されたエアアウトレットはダミーだったし、ボンネット両サイドのバルジは、ストラットサスの取り付け部をカバーするための苦肉の策だったりと、スポーツカーとしては残念な部分もあった。
インテリアは豪華志向
スポーツカーの室内は、適度にタイトで、スパルタンなイメージを持っている人も多いだろうが、GTOのインテリアはセンターコンソール上部の丸型3連メーターがスポーティ感を出しているものの基本的にはラグジュアリー志向。シートサイズもゆったりしているのでスポーツカーとは思えない快適な空間だった。乗車定員は2+2の4人だが、ほかのスポーツカー同様にあくまでも主役は前席で、後席は荷物スペースとしてつかうほか、エマージェンシー的。
サンルーフはめんどうなタイプ!?
快適装備としてオーディオも充実。そしてGTOには脱着式ガラスサンルーフがオプション設定されていた。このあたりはアメリカンな感じ。車内のダイヤルを回すと、ガラスルーフの後端がせり上がるような形となる。このチルト状態で室内換気することもできる。そのダイヤルをさらに回すと、ルーフが外れ、外からルーフを取り外す。今考えると非常に面倒だし、ガラスが重いのでひとりで取り外すのは慣れが必要。ガラスルーフの収納場所はトランクだ。撮影用に三菱自動車からお借りした広報車両で取り外した時は、安全を考えて2人で外した。 しかしいざ開けてみると開口部が大きいので思いのほか解放感がある。クローズド状態にするには外すのと逆の手順になるが、面倒なことには変わりない。この面倒さが嫌で、いつの間にか外さなくなったという人が多いハズだ。