「保育園に預けられて、かわいそうに…」働く母親を悩ませるデマに喝!元学長の指摘がスカッとした
一方男性の場合は、オキシトシンは自然には分泌されません。男性は、実際に子どもを育てる作業を通じてオキシトシンが分泌されます。つまり、「子育て」というプロセスを経ることでオキシトシンの分泌が促され、子どもに対する愛情が芽生えるのです。 男性の場合は、子どもがかわいいから面倒を見るのではなく、面倒を見るからかわいいという気持ちが生まれるのです。したがって、父親が育児休暇を取って子育てをするのは、科学的にも理にかなっているのです。もっといえば、男性は育児を行うことによって、愛情にあふれた一人前の父親に成長していくのです。 EUの新「ワークライフバランス指令」の中の「育児休業指令」には、働く父親と母親両方に対する育休の最低必要条件と、これに関連する雇用保護について規定されています。 主要項目は次の通りです。 「労働者は実子誕生、または養子受け入れ後に育休を取得する権利がある」。 「男性と女性は、育休の取得に際し、雇用契約の種類に関係なく同等の待遇を受ける」。 「最低4カ月の育休を両方の親に個人的権利として与えなければならない」。
日本の企業の中には、全男性に「1日」だけ育児休暇を強制的に取らせて、「男性の育児休暇取得率100%」とPRしているような事例が見受けられます。 これはあくまで、メディア露出や政府のアンケート調査対策にすぎません。医学的には、2~3カ月は子どもの面倒を見ないとオキシトシンが十分出ないことがわかっているので、EUにならって、働く父親に対する育休制度をもっともっと拡充すべきです。 (2)社会が複雑になっているから。 人間を育てるのに時間がかかる2つ目の理由は「社会が複雑になっている」からです。 人間は高度な文明を築いているので、現在の社会の構造はとても複雑なものになっています。 ● 食べ物を与えるのではなく 魚の釣り方を教えるのが「教育」 しかも、時代が変化するスピードは、これからますます速くなります。たとえ最新のプログラミング言語を学んだとしても、すぐに陳腐化するでしょう。 こうした時代では、ダーウィンのいう通り、変化に適応するしかない。上手く適応するためには、「政府とは何か」「社会保障とは何か」「お金とは何か」などといった社会生活に必要な基本的なリテラシーを身につけておくことが必須です。