「全然同情してくれ」――騒がしい外野の声は濱田祐太郎には届かない
漫談家・濱田祐太郎(32)。視覚障がい者の日常をユーモラスに語ったネタで『R-1ぐらんぷり2018』王者に輝いた。先天性緑内障のため生まれつき左目が見えず、わずかにあった右目の視力も今は明るさを感じる程度。かつては否定的だった「視覚障がい者の代表扱い」についても現在はイーブンだという。「全然同情してくれ」、そう話す芸人・濱田のしたたかな思いとは。( Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
嫌いじゃないけど出たくはない。福祉番組について
濱田祐太郎を語るうえで障がいに関する話題は常についてまわる。R-1 優勝後は特に視覚障がい者の代表として期待のまなざしを向けられることが多かった。 「優勝した直後にそういうこと聞かれて、そのときは『僕は何の代表でもないんで』ということ言うてましたね。講演会もやってないです。話が来ても断ってますね。たまにネタ10分、トーク20分の営業があったりするのを『講演会』とタイトルつけられたりしますけど、『講演会ちゃうけどなぁ』と思いながらやってます」 「ひょうごユニバーサル大使」でもある濱田。出演するラジオ番組「濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信」や障がい者団体での営業など、福祉関係の仕事はあえて1~2割に抑える。過去に大型の福祉番組からのオファーもあったが、すべて断っている。 「別に嫌いなわけじゃないんですけどね。ありゃあいいとは思いますけど、それと出たい、出たくないは別なんで。『こういうことで困ってる』とか、『病気がある』とか知ってもらうのは必要なことだと思います」
例外として、NSC卒業直後に『バリバラ』に出たことはある。 「NSC出たてのピン芸人が生意気にもテレビの仕事を断る、そんなことがあったら一生テレビに出させてもらえないんじゃないかという恐怖があって出てしまいましたね。いま冷静に考えたらそんなことはないんですけど。自分の気持ちとして、(福祉番組に)出たくないのはあのころから変わってないです。局とか番組も関係なく。そもそもそういう仕事をしたくて芸人になったわけじゃない」