子持ちの方が偉いの? 仕事を押しつけられる独身で子どものいない女性がもらした素朴な本音【漫画家インタビュー】
耳かき専門店での勤務経験を基にしたオリジナル漫画をSNSで発信する森民つかさ(@uouououoza1)さん。自己否定という“沼”に浸かってしまっている漫画家志望の主人公が耳かき専門店で働き始め、さまざまな想いを抱える客たちとの出会いを通じ、強すぎる自己否定感と向き合っていく姿を温かいタッチで描く。耳かき専門店の知られざる裏側とは。著者の森民さんに、第11話についてお話をうかがった。 【漫画】『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』を読む
漫画家を志望するもうまくいかず、アルバイトも長続きしない日々。すっかり自己否定の“沼”に浸かりきってしまった主人公は「耳かき専門店」で働くことに。ある日、担当した客は疲労感たっぷりの女性。疲れの理由を尋ねると、彼女は独身と既婚が共存する職場について語り始める。
賛否を呼びそうなテーマを、少し極端だが描いた
――職場で、子持ちの人のフォローは子どものいない人がするというのはリアリティのある話題だと感じました。ご自身が同様の状況に置かれたとしたら、どんな対応をしますか? シンプルにムカついちゃうと思いますが、なんだかんだ引き受けちゃうでしょうね……(笑)。ただ続くようなら上司に相談して解決を図ると思います。当人同士で解決しようとは思いませんね。 ――耳かき専門店の同僚・もみじさんの持論はなかなか強烈でした。あえてこのセリフを言わせた狙いは? 実際にもみじさん(のモデルになっているスタッフ)が近いことを言っていたのはあります(笑)。賛否あるテーマなので、押し付けられる側の意見として、少し極端ではありますが、描かせていただきました。 お客さん自身は怒っていませんでしたが、もみじさんが怒りを代弁してくれていたので、それを採用しました。 ――何かと“多様性”に言及される時代、賛否を受けそうでもあえてぶっちゃけてしまいたい本音があれば教えてください。また、大切にしている価値観はありますか? あまりそういった本音は思いつきません。価値観で言えば、昔は周りからどう思われるか、という他人に価値基準を置いてしまっていたのですが、最近はやっと、他人や社会からの評価は時代や場所、タイミング次第でも大きく変わるので、人から言われたことはあまり気にしなくてもよいと思えるようになりました。 やる気はあれど、自己否定感で苦労する自分との向き合い方を実体験ベースに描いた『耳かき専門店で働いて自己否定“沼”から抜け出す話』。森民さんの耳かき専門店での奮闘ぶりと発見の日々をご覧いただきたい。