開幕前から話題の多い2024年のスーパーフォーミュラ、元王者と実力派ドライバーのガチンコ勝負の様相に
近年は日本国内だけでなく、海外からも注目を集める存在となっているスーパーフォーミュラ。2024年は前年王者が不在となるも、メーカーをまたいだ移籍や実力派ルーキーの参戦などで開幕前から話題を呼んだ。サーキットレースの日本最高峰である全日本スーパーフォーミュラ選手権。2024年シーズンは全7ラウンド9レースで構成されており、これまでに4ラウンド4レースを消化した。 【関連画像】今季スーパーフォーミュラで戦っているJuju スーパーフォーミュラはエンジンこそトヨタ/TRDとホンダ/M-TECから供給されているが、シャシーとタイヤはワンメイクとされており、イコールコンディションに近づけることでドライバーの技術やチームの戦略がレースの結果を左右しやすくされている。 2024年シーズンに向けてはダンパーも共通化された。これまではコーナーダンパーとサードエレメントは自由で、様々なメーカーのものが採用されてきたが、イコールコンディションを徹底することを第一の目的とし、全車がオーリンズ製のものを使用することとなった。 また、今年は昨年王者である宮田莉朋がFIA F2選手権に参戦したため、さらに毎年のようにチャンピオン争いに絡んできた平川亮はマクラーレンのリザーブドライバーに就任したため、不在に。有力ドライバーがいなくなった一方で、昨年までFIA F2などヨーロッパのフォーミュラカテゴリーで経験を積んできた岩佐歩夢や、昨季のF2チャンピオンであるテオ・プルシェールなどルーキーが複数参戦したほか、これまでホンダ系ドライバーとして活躍してきた福住仁嶺と大湯都史樹がトヨタ系チームに移籍するなど、今季は話題性に富んだラインナップとなった。 そんな今季のスーパーフォーミュラは3月9日~10日の鈴鹿ラウンドでスタートした。同シリーズが3月初旬に開幕したのは、全日本F3000選手権時代の1992年以来32年ぶりのこと。 気温12℃と低温の“春の鈴鹿”を制したのは、2021年からシリーズを2連覇したTEAM MUGENの野尻智紀だった。野尻はこのレース、3番グリッドから好スタートを切ると早々と首位を奪取。そのまま盤石なレース運びで開幕戦を制した。さらに、第3戦SUGOではドライコンディションで行われた予選で今季初ポールを獲得すると、大雨に見舞われクラッシュが続発した決勝でトップチェッカーを受け2勝目を獲得。合計47ポイントを稼いでランキングトップに立っている。 野尻のチームメイトである岩佐も存在感を示している。第2戦オートポリスでポールポジションを獲得。初優勝は逃したものの2位に表彰台を獲得すると、ここまでの4戦でフロントロウは3度、表彰台は2度獲得する速さを見せており、ルーキーながらランキング4位につけている。 ランキング2位には、宮田に代わってVANTELIN TEAM TOM'Sに移籍した坪井翔がつけている。坪井は第4戦富士で見事なレースマネジメントを発揮し、終盤にオーバーテイクを連発して今季初優勝を飾った。 また、ランキング3位はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの牧野任祐。牧野はスーパーフォーミュラデビュー戦となった2019年開幕戦鈴鹿でポールポジションを獲得するなど、これまでも速さは見せてきたが勝利には恵まれていなかった。しかし、今季の第2戦オートポリスでついに悲願の初優勝を達成した。 チームランキングではTEAM MUGENがトップ。2022年からチームタイトルを連覇しているこのチームは、今季ここまでで唯一、すべてのラウンドで二桁得点を記録しており、合計67.5ポイントを稼いでいる。同2位のDOCOMO TEAM DANDELION RACINGとは20ポイント以上の差をつけており、3連覇へとひた走っている。 なお、女性ドライバーであることや史上最年少でのデビューということから今季開幕前から大いに注目を集めたJujuは、TGM Grand Prixでルーキーシーズンを戦っている。予選こそトップとのタイム差は依然として大きく、決勝では上位入賞はないものの、クラッシュを喫することなく全4戦で完走している。 スーパーフォーミュラの2024年シーズン第5戦は8月24~25日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。 2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権 ドライバーズランキング 2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権 チームスランキング
MotorFan編集部