《ブラジル記者コラム》気が付いたら「移民大国ニッポン」=受け入れるか入れないか、しっかり選択を
数字を見れば明白な日本という移民大国ぶり
コラム子は、なにも「外国人移民を受け入れろ」と言っている訳ではない。むしろ逆で「受け入れずにすむなら、受け入れない方が日本のためだ」と考えている。ここで言いたいのは「受け入れていない振りをして、実は受け入れるという態度は外国人に対して失礼だし、いずれ外国人から見限られる」という点だ。 数字を見れば明白だ。23年10月13日付出入国在留管理庁の「令和5(2023)年6月末現在における在留外国人数について》(4)によれば、昨年6月末現在における中長期在留者数と特別永住者数の合計《在留外国人数は322万3858人となり、前年末(307万5213人)に比べ、14万8645人(4・8%)増加しました》と書かれている。 日本の人口は1億2570万人だから2・56%が中長期滞在の外国人だ。50人に1人が外国人住民という国であり、立派な移民大国だ。 「322万人」を都道府県と比較すれば、2020年の47都道府県中の10位静岡県(363万人)の次に来るぐらいの数字だ。 「世界の移民人口国別ランキング」(5)においてでも世界20位に相当する。このグラフは2021年現在なので、当時の在日外国人は277万人だったから順位は24位。231国・地域のうちで世界20位はかなりの上位だ。 ちなみに、誰もが認める「移民が作った国ブラジル」だが、現在外国人は130万人しかいない。21年7月12日付アジェンシア・ブラジル「ブラジルの新規移民数は10年間で24・4%増加=現在は130万人の移民が居住」(7)には、《移民はブラジル市場でもより多くの雇用を占めた。2011年には6万2423人だったが、2020年には18万1358人だった。2019年から2020年にかけて、正規市場で移民や難民のために創出された雇用は2万1400人から2万4100人に増加した。12・7%の増加。ブラジルの基礎教育ネットワークに登録する移民学生の数は、2010年の4万1916人から2020年には12万2900人に増加した》とある。 日本との違いとしては、移民もブラジル人と同様に正規雇用され、ブラジル人児童生徒と同じように教育されることだ。ブラジルの人口は2億1430万人だから、移民人口は0・6%にすぎない。日本の比率のほぼ4分の1だ。